2人以上のポッドキャスト・対談配信|マイク構成と音響セッティングの基本
2人以上でのポッドキャスト・対談配信における音響セッティングを解説。マイク構成の選び方、配置、オーディオインターフェースでのチャンネル管理、マイクブリード対策まで機材面に絞って整理します。
1人配信は問題なくできていても、2人以上のポッドキャスト・対談配信になると「声がかぶる」「収録後のミックスが大変」という壁に当たることがあります。
部屋の広さや防音性能はすでに整っている前提で、本記事ではマイクの本数・配置・機材構成という音響セッティング側に絞って解説します。部屋の広さ・防音室のサイズについては2人配信・コラボ収録できる防音部屋の広さと最低条件を参照してください。
なぜ1人配信とは音響設計が変わるのか
1人配信では、マイク1本・音源1つを管理するだけで済みます。2人以上が同じ空間で話すと、声のかぶり・残響・回り込みが一気に増えます。
相手の声が自分のマイクにも入り込み、編集時に「誰の声をどう調整するか」が複雑になるのが最大の違いです。この問題は部屋を防音しても解決せず、マイクの構成と配置で対処する必要があります。
マイク構成の選び方:1本共有 vs 1人1本
2人以上で収録する場合、最初に決めるべきはマイクの本数です。
1本のマイクで複数人を収音する場合
無指向性マイクや双指向性マイクを1本だけ用意し、複数人で囲んで話す方法です。
- メリット : 機材コストが低く、配置もシンプル
- デメリット : 声量差がそのまま録音に残り、後から個別に調整できない。距離が遠い人の声が小さくなりやすい
カジュアルな雑談配信や、機材投資を最小限にしたい場合に向いています。
1人1本のマイク構成にする場合
参加者ごとに専用マイクを用意し、それぞれ別チャンネルで録音する方法です。
- メリット : 各自の声量を個別に調整できる。声のかぶりが発生しても編集で分離しやすい
- デメリット : マイクの本数分のコストと、入力数に対応した機材が必要になる
本格的にポッドキャスト・対談配信を継続するなら、1人1本のマイク構成が基本解になります。声量差の調整や編集の自由度が、後述するチャンネル管理のメリットに直結するためです。
マイクの距離・角度で「かぶり」を減らす
マイクの本数を決めたら、次は配置(距離・角度)を調整します。
指向性マイクを使う場合、マイクの収音範囲の外に他の参加者の声を逃すことで、かぶりを減らせます。
- マイク同士の距離を離す : 近すぎると互いの声を拾いやすくなります。可能であれば50cm以上の距離を確保します
- マイクの向きを外側に振る : 単一指向性マイクは正面の感度が高いため、参加者同士が顔を向け合う配置よりも、やや外側を向けて口元だけを狙う配置のほうがかぶりを抑えられます
- 口とマイクの距離を一定に保つ : 話すたびにマイクから離れると、声量のバラつきが増え、後の編集が難しくなります
完全にかぶりをゼロにすることはできませんが、距離と角度を意識するだけで、編集の手間は大きく変わります。
オーディオインターフェース・ミキサーでの個別チャンネル管理
1人1本のマイク構成にした場合、参加者の人数分の入力に対応するオーディオインターフェースまたはミキサーが必要になります。
- 個別チャンネルの利点 : 収録後に「この人だけ声が小さい」「このタイミングだけノイズが乗った」といった調整を、他の参加者の音声に影響を与えずに行えます
- 入力数の考え方 : 2人なら2入力対応の機種で足りますが、ゲストが増える想定がある場合は、余裕を持った入力数の機種を選ぶと買い替えを避けられます
- ゲインの個別設定 : 参加者ごとに声量・マイク感度が異なるため、チャンネルごとにゲインを個別調整できることが、複数人収録では実質的に必須の機能になります
特定の機種を断定的に推奨するものではありませんが、「人数分の入力数」と「チャンネルごとのゲイン調整」が可能かどうかを選定基準にすると判断しやすくなります。
マイクブリード(音の被り)対策と吸音パネル
マイクの配置を工夫しても、マイクブリード(自分のマイクに他の参加者の声が被って入り込む現象)を完全には防げません。
ここで効果を発揮するのが、各自のマイク正面への吸音処理です。
- 自分のマイクの背後・正面に吸音材を置くと、相手の声の反射成分が減り、被りが目立ちにくくなります
- 参加者同士の中間に吸音パネルを立てると、声が直接回り込む量自体を減らせます
吸音パネルの配置場所・設置パターンの詳細は配信部屋の反響を消す吸音パネルの選び方と設置場所で解説しています。複数人収録では、1人配信時よりも吸音材を増量する意識を持つと、マイクブリードの影響を抑えやすくなります。

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最後に、録音データの保存形式を決めます。
- 単一トラック収録 : 全員の声を1つの音声ファイルにまとめて録音する方式。手軽ですが、後から1人だけの音量・ノイズを調整できません
- マルチトラック収録 : 参加者ごとに別ファイルで録音する方式。編集時に各自の声量・ノイズを個別に調整でき、かぶった声を分離しやすくなります
カジュアルな配信であれば単一トラックでも十分ですが、音質にこだわるポッドキャスト・対談配信ではマルチトラック収録が基本です。1人1本のマイク構成にした場合は、録音ソフト側でもマルチトラック出力に対応しているか確認しておきましょう。
まとめ
2人以上のポッドキャスト・対談配信では、マイクの本数・配置・チャンネル管理が音質を左右します。
1人1本のマイク構成とマルチトラック収録を基本とし、マイクの距離・角度の調整と吸音処理でマイクブリードを抑えることで、編集の負担を減らしながら聞きやすい音声に仕上げられます。
部屋の広さ・防音性能の条件については2人配信・コラボ収録できる防音部屋の広さと最低条件、マイクノイズの基本対策はマイクの「音割れ・ノイズ」を防ぐ部屋づくりも合わせて参考にしてください。