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2026/4/2 JA

【調査報告】首都圏における高性能防音賃貸市場の定量的分析(2025-2026)

「防音賃貸はなぜ高いのか?」首都圏のミュージション1Kの下限家賃を一般賃貸と比べ、エリア別の上乗せ率(+17%〜+100%)を公開。待機が続く背景と、入居までの動き方、23区外へ広げる考え方まで整理します。

「ミュージション」や「ラシクラス」といった有名な防音賃貸ブランド。

しかし、いざ探してみると「空室なし(待機中)」ばかり。

本記事では、防音賃貸の家賃が一般の賃貸よりどれだけ高いのか、なぜ空きが出にくいのかを、公表データと当サイトの調査で整理します。

より戦略的な部屋探しに役立ててください。

結論:防音賃貸は「探す」より「待機登録して待つ」もの

首都圏の防音賃貸の最大手「ミュージション」を運営する株式会社リブランは、入居率とウェイティング(空き待ち)の登録者数を公表しています。

  • 2024年度の平均入居率は99.3%
  • 空き待ちの登録者は12,000名超(2026年1月時点の発表)

一般の賃貸の空室率と単純には比べられませんが、需要が供給を大きく上回っていることは確かです。

棟数・戸数の公表値は、発表の時期で異なります(2025年10月時点で41棟・828戸、2026年2月時点で43棟・856戸、世田谷赤堤の完成後は累計44棟・916戸)。

最新の数字は、公式発表で確認してください。

防音賃貸の「プレミアム」家賃:エリア別の上乗せ率

ミュージション1Kの掲載家賃の下限と、同じエリアの一般賃貸1Kの相場を比べました。

エリア一般賃貸1Kの相場ミュージション1Kの下限上乗せ率備考
渋谷区(下北沢)11.2万円16.3万円+45%2025年新築、駅近
新宿区(早稲田)10.9万円12.7万円+17%音大が近い
世田谷区(赤堤)8.5万円13.2万円+55%2026年新築
中野区(野方)7.8万円12.5万円+60%
板橋区(西台)6.3万円12.6万円+100%絶対額は低いが上乗せ率は大きい
川越市5.6万円9.1万円+63%築年が古い物件

出典:当サイトの調査(2026年6月24日時点)。ミュージション公式の物件一覧の掲載家賃(1Kの下限)と、SUUMO・ヤスクスムなどの2026年の一般賃貸1K相場を比較。

注意点は次のとおりです。

  • 比較は掲載家賃の下限で、実際の入居価格は上限寄りになりやすい
  • 一般相場はエリア全体の平均で、築年や広さが同条件とは限らない
  • 上乗せ率はD-70前後の専用ブランド物件の数字で、「防音室付き新築」などを含めた広い定義とは異なる

広い定義で見ると、数字は小さくなります。

MUFG不動産レポート(2026年1月)の防音マンションのアンケートでは、新築の防音物件と通常物件の賃料差は「+5%未満〜+30%未満」が最も多い回答でした。

つまり、専用ブランドの防音賃貸は、一般的な「防音仕様」の物件よりも上乗せが大きい傾向があります。

エリア別の家賃の目安(ミュージション1Kの下限)

エリアを広げると、家賃は下がります。

エリア棟数(調査時)1Kの下限の幅中央値都心までの目安
都心・人気エリア(下北沢・早稲田・世田谷など)712.7〜16.3万円13.2万円15〜25分
23区の北部・西部(野方・西台・江古田など)87.9〜10.8万円9.8万円25〜40分
神奈川・千葉(川崎・登戸・千葉駅前など)79.2〜10.5万円9.8万円20〜45分
埼玉・多摩西部(川越・小平・志木・朝霞)46.7〜8.5万円8.0万円40〜60分

出典:当サイトの調査(2026年6月24日時点、ミュージション公式の1Kを含む26棟)。

都心と埼玉・多摩西部の中央値には、約5.2万円の差があります。

ただし、郊外の物件もほぼ待機状態なので、「安い物件を選べるか」より「そもそも入れるか」が最初の壁です。

なぜ上乗せされるのか

単に「音が漏れない」だけでなく、24時間楽器演奏可能という「時間の自由」が価格に含まれているためです。

貸しスタジオを日常的に使っている場合は、その利用料と通う手間が、比較の基準になります。

演奏の時間に制約のある一般の賃貸では得られないため、プロやプロ志向の方には合理的な選択肢になりえます。

一方で、必要なD値は楽器で変わります。

楽器別の目安は、遮音性能の基準「D値」とは?楽器・用途別の目安を徹底解説の賃貸物件の項で確認できます。

主な防音賃貸ブランド

防音賃貸の専門ブランドは、いくつかあります。

ブランド運営特徴
ミュージション(MUSISION)株式会社リブラン24時間楽器演奏可。首都圏中心に累計40棟超。D値を開示する物件が多い
ラシクラス株式会社らしく周辺相場の約130%の家賃設定で満室になった事例が紹介されている
音楽マンション越野建設東京を中心に、埼玉・神奈川・千葉へエリアを拡大

「リブラン」は、ミュージションの運営会社です。別のブランドとして数えないようにしてください。

一般の不動産ポータルは、「防音」での絞り込みがしにくいため、ブランドの公式サイトでの直接検索・会員登録が基本になります。

専門ブランド以外にも、地域の不動産会社が「楽器相談可」「防音仕様」と表記する物件があります。

仙台・大阪など各エリアの地域密着型の物件もあわせて確認すると、選択肢が広がります。

エリア別の相場は、防音賃貸・防音マンション完全ガイドも参照してください。

ミュージションを詳しく知りたい方は、ミュージション(MUSISION)完全攻略ガイドをご覧ください。

空きが出にくい市場で、入居までに取る行動

防音賃貸は、「いい部屋が出たら内見して決める」という探し方が通用しにくい市場です。

申込から入居までの流れを事前に把握し、先回りして動くことが重要です。

  1. 公式サイト・会員サイトへの登録を最優先する : 一般のポータルに載る前に、会員の中で次の入居者が決まることがあります。候補ブランドで、先に登録と問い合わせを済ませる
  2. 審査書類を先に準備する : 空室が出ても短期間で埋まるため、在職証明や収入証明などを事前にそろえておく
  3. 閑散期を狙わない : 一般の賃貸と違い、通年で動きがあるので、アンテナを張り続ける
  4. エリアを広げる : 都心にこだわらず、23区の北部・西部や近郊に目線を広げる

2026年以降、需要はどこから増えるか

防音賃貸の需要を牽引してきたのは、ピアノや弦楽器などの演奏者でした。

近年は、楽器を演奏しない配信者・VTuber、リモートワーカーからの需要も増えています。

  • 配信者・VTuber : 深夜のボイスチャットや歌枠配信での音漏れを避けたい
  • リモートワーカー : Web会議の声漏れ防止、生活音と仕事音の分離をしたい

「深夜でも声を出せる」という訴求が、演奏者以外への入口になっていると考えられます。

今後は、D-30〜D-40程度の「テレワーク・配信向け」の防音賃貸への需要も伸びる可能性があります。

23区外・首都圏近郊への広がり

都心の空室が逼迫していることから、家賃を抑えつつ防音性能を確保したい層が、23区外や近郊へ目を向けています。

23区北部・西部の家賃の中央値(9.8万円)は、都心(13.2万円)より約3.4万円低い水準です。

リモートワーク中心で通勤頻度が低い場合は、近郊への居住地シフトも現実的です。

ただし、通勤時間と、築年、空室待ちの長さとのトレードオフがあります。

次のステップ

目的に合わせて、次の記事に進んでください。

KEYWORDS
#防音賃貸#市場調査#ミュージション#リブラン#部屋探し
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