歌ってみた動画を投稿しているけど、音質がいまいち…というお悩みはありませんか?
歌ってみた収録では、ボーカルの明確さと背景ノイズの排除が何より大切です。プロレベルの音質実現には、ボーカルブース設計が必須です。
この記事では、歌ってみた収録に最適なボーカルブース設計、吸音材の選択方法、DIYでの実装方法を詳しく解説します。
歌ってみた収録に必要な音響環境#
まず、必要な環境基準を理解しましょう。
歌ってみた収録に求める要件#
| 要件 | 必要性 | 理由 |
|---|---|---|
| 反響の排除 | ★★★★★ | ボーカルの輪郭を明確に |
| 背景ノイズ排除 | ★★★★★ | クリアな声質実現 |
| 低音制御 | ★★★☆☆ | 声の深みを保つ |
| 遮音性 | ★★★☆☆ | 隣戸や外部音対策 |
最重要課題
- 反響を完全に排除
- 背景ノイズをゼロに
- 声の温かみを保つ
理想的な環境数値#
| 項目 | 目標値 | 判定 |
|---|---|---|
| 残響時間(RT60) | 0.2〜0.4秒 | プロレベル |
| 背景ノイズレベル | NC-25以下 | 高品質 |
| 周波数応答 | 100Hz〜10kHz平坦 | 声に最適 |
ボーカルブースの基本設計#
実際のボーカルブース設計方法をご紹介します。
設計パターン①:小型スタンドブース(予算¥10〜20万)#
構成
┌──────────────────┐
│ 吸音パネル │←背面
│ (正面・100mm) │
├──────────────────┤
│ M │ │ │ │←マイク位置
│ A │ ×│ × │ │
│ I │ │ │ │
│ C │ 吸音パネル │
│ │ (天井・50mm)│
└──────────────────┘
特徴
- 最も簡易的
- 設置が容易
- 移動可能
- DIYで実装可能
必要な材料
- グラスウール100mm × 正面6㎡
- 吸音パネル50mm × 天井2㎡
- ウレタンスポンジ100mm × 側面4㎡
- 木材フレーム
- 不織布
総費用
- 吸音材:¥50,000
- 木材・工具:¥30,000
- 合計:¥80,000
設計パターン②:中型ボックスブース(予算¥50〜80万)#
構成
外寸:1.5m × 1.5m × 2.0m
内寸:1.4m × 1.4m × 1.9m
【層構成】
外部 → 制振材 → 石膏ボード → 吸音材 → 内装
特徴
- スペースに余裕
- 長時間収録可能
- 音質が安定
- 完成度が高い
必要な設置スペース
- 床面積:2.25㎡(約1.5畳)
- 天井高さ:2.0m以上
- 搬入路:90cm以上の幅
設計パターン③:大型ボーカルルーム(予算¥100万以上)#
構成
- 2畳以上の独立した部屋
- 現場施工による防音室化
- プロスタジオ並みの環境
適用対象
- プロボーカリスト
- 音楽レーベル傘下
- 企業・スタジオ運営
ボーカル特化型吸音材の選択#
歌ってみた収録に最適な吸音材を選びます。
吸音材の周波数特性#
歌声の周波数帯(80Hz〜4000Hz)に対応する吸音材が必要です。
各吸音材の周波数特性
| 素材 | 中高音 | 低音 | 総合評価 |
|---|---|---|---|
| グラスウール100mm | ◎◎ | ◎ | ★★★★★ |
| ウレタンスポンジ100mm | ◎◎ | △ | ★★★★☆ |
| ロックウール75mm | ◎ | ◎ | ★★★★★ |
| テンセル50mm | ◎ | ◎ | ★★★☆☆ |
歌ってみた向けの推奨選択
グラスウール100mm(最適選択)#
理由
- 歌声の周波数帯を完全カバー
- 低音対策も優秀
- コスパ最高
配置方法
| 位置 | 厚さ | 効果 |
|---|---|---|
| 正面 | 100mm | 反響排除(最優先) |
| 天井 | 50mm | 頭上の反響排除 |
| 側面 | 100mm | 側面反響排除 |
| 背面 | 50mm | 背後の音吸収 |
施工手順
- 木枠で支持構造を作成
- グラスウールを木枠に詰める
- 不織布で覆う(チクチク感対策)
- 正面から内装仕上げ
ウレタンスポンジ100mm(代替案)#
メリット
- 取り扱いが簡単
- 安全性が高い
- 見た目が良い
デメリット
- グラスウールより低音吸収が弱い
- 耐久性が限定的(5年程度)
ボーカルブース内のマイク配置#
最適なマイク配置をご紹介します。
マイク位置の最適化#
【俯瞰図】
吸音パネル(正面)
↑
┌─────┐
│ M │ ← マイク
│ A │
│ I │
│ C │
│ │
└─────┘
↑
床(防振マット)
距離設定
| 項目 | 推奨値 | 理由 |
|---|---|---|
| 正面吸音から | 0.3〜0.5m | 反響排除効果を得る |
| 口からマイク | 10〜15cm | 音量最適化 |
| マイク角度 | 15度下向き | 呼吸音回避 |
マイク高さ調整#
- 立って歌う場合:口の高さと同等
- 座って歌う場合:やや上向き
- 理由:自然な音声キャプチャ
ボーカル特化型吸音の工夫#
歌声を最高に引き出す吸音設計です。
正面吸音パネルの最適化#
重要性
- 最も効果大きい
- ボーカルの輪郭を決定
- 最優先で投資
推奨仕様
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| 厚さ | 100mm(最厚) |
| 範囲 | マイク視界全体(1.5m × 1.5m以上) |
| 素材 | グラスウール(最高性能) |
| カバー | 不織布(見た目&安全性) |
配置イメージ
┌─────────────────────┐
│ 吸音パネル │
│ 正面(100mm) │
├─────────────────────┤
│ M │ × │ │
│ A │ × │ │
│ I │ × │ ← 吸音側面
│ C │ │ (100mm)
│ │ │ │
└─────────────────────┘
↑天井吸音(50mm)
天井吸音の役割#
- 作用:頭上の反響排除
- 効果:声の浮遊感を消す
- 推奨厚さ:50mm(50〜100mmの範囲で調整可)
側面吸音のバランス#
左右対称配置
- 理由:ステレオ感を確保しつつ、反響排除
- 推奨:100mm厚×壁一面
DIYでのボーカルブース構築手順#
実際に自分で作る手順をご紹介します。
全体構築ステップ#
STEP1:設計図作成(1日)
- 寸法測定
- 材料リスト作成
- 施工計画
STEP2:材料調達(3日)
- グラスウール:¥50,000
- 木材フレーム:¥30,000
- 不織布・工具:¥20,000
- 合計:¥100,000
STEP3:フレーム構築(2日)
- 木枠を組む
- グラスウールを詰める
- 不織布で覆う
STEP4:設置・調整(1日)
- ボックスを組み立て
- マイク位置調整
- テスト録音
STEP5:音質チューニング(3日)
- テスト録音で確認
- 必要に応じて吸音調整
- 最終確認
総所要時間:1〜2週間
材料計算(2m × 2m × 2mボックスの例)#
| 材料 | 寸法 | 数量 | 単価 | 小計 |
|---|---|---|---|---|
| グラスウール100mm | 4㎡ | 2 | ¥25,000 | ¥50,000 |
| グラスウール50mm | 4㎡ | 1 | ¥15,000 | ¥15,000 |
| 木材(2×4材) | 計 | 20本 | ¥2,000 | ¥40,000 |
| 不織布 | 9㎡ | 1 | ¥5,000 | ¥5,000 |
| 工具・金具 | 一式 | — | ¥10,000 | ¥10,000 |
| 合計 | ¥120,000 |
歌ってみた収録時の実践テクニック#
ボーカルブース完成後の録音テクニックです。
マイク設定#
ゲイン設定
- 目安:ピークメーターで-6dB
- テスト:大きめに歌ってテスト
- 調整:-3dB〜-9dB範囲で最適化
ポップガード設定
- 必須アイテム
- マイクから5cm離す
- 「p」「t」音の破裂音排除
収録環境の準備#
ボックス内環境
| 項目 | 対策 |
|---|---|
| 温度 | 可能なら18〜22℃ |
| 湿度 | 40〜60% RH推奨 |
| 照明 | LED(ノイズレス) |
| その他機材 | 外部設置(ファンノイズ回避) |
収録手順#
ウォームアップ(10分)
- 声帯を温める
- マイク位置最終確認
テスト収録(3分)
- 実際の音量でテスト
- ゲイン調整
本番収録(5〜10分)
- 複数テイク(3〜5回)
- 最良テイク選択
確認・調整
- 再生確認
- 問題あれば再録
歌ってみた収録の常見問題と対策#
よくある問題と解決方法です。
問題①:残響が多い#
原因
- 吸音材が不足
- 配置が不適切
対策
- 吸音材を追加(側面・天井)
- マイク位置を正面パネルに近づける
問題②:背景ノイズが入る#
原因
- エアコン・PCのノイズ
- 外部音
対策
- 機材を別室に配置
- 外部音の時間帯を避ける
問題③:声が冷たく聞こえる#
原因
- 吸音が過剰
- マイク感度が低い
対策
- 吸音量を調整(100mmから75mmに減らす)
- マイクゲインを上げる
歌ってみた動画:音質の最終チェック#
公開前の音質確認リストです。
チェック項目
- ボーカルがクリアに聞こえるか
- バックトラックのバランスは適正か
- ノイズがないか
- 頭数秒の反響はないか
- 音量は-3dBFS程度か
改善が必要な場合
- イコライザー:200Hz〜2kHzを強調
- コンプレッサー:音量を整える
- リバーブ:若干追加(オプション)
まとめ:歌ってみた収録は「ボーカルブース設計」がすべて#
重要ポイント
- ✓ 反響排除が最重要
- ✓ 正面吸音パネル(100mm)に投資集中
- ✓ グラスウール採用がコスパ最高
- ✓ DIYで¥100万程度で実装可能
- ✓ マイク配置・ゲイン設定も重要
おすすめの進め方
小型から開始
- グラスウール+ウレタンで¥10万クラス
テスト収録
- 環境が適切か確認
段階的改善
- 必要に応じて吸音追加
音質チューニング
- ゲイン・イコライザー調整
正しいボーカルブース設計があれば、歌ってみた動画の音質は劇的に向上します。
あなたの歌声を最高に引き出すボーカルブースを作りましょう!
