配信を始めたいけど、家族に迷惑かけたくない。でも防音室って高いよね…そんな悩み、めちゃくちゃわかります。
実は、予算3万円から配信環境は作れるんです。この記事では、予算別に「今すぐできる防音対策」を紹介していきます。
配信に必要な防音レベルって?#
まず知っておきたいのが、配信に必要な防音性能。専門的には「D値」という指標で表されます。
配信用途なら D-45程度あれば十分です。これは「隣の部屋で話し声がほぼ聞こえない」レベル。完璧な無音じゃなくても、配信は成立します。
ちなみに高級防音室はD-60以上ありますが、そこまで必要かは用途次第。深夜に叫びたいゲーム実況なら別ですが、普通の配信なら過剰スペックかもしれません。
予算3万円でできる防音戦略#
吸音材を戦略的に配置する#
3万円で一番効果的なのは、吸音材の賢い使い方です。
用意するもの:
- 吸音パネル(Amazon等で購入):約1.5万円
- カーテン(厚手の遮光カーテン):約8,000円
- 隙間テープ:約2,000円
- 残り:小物・調整費用
吸音材は「音を小さくする」のではなく「反響を減らす」効果があります。配信では反響音が減るだけで、音質がガラッと変わります。
効果的な配置方法:
- マイクの背面に吸音パネルを集中配置
- 窓には厚手のカーテンを二重に
- ドアの隙間に隙間テープを貼る
この方法で、音質改善と簡易的な防音を両立できます。完璧な遮音じゃないですが、「家族が寝てる時間は避ける」くらいの配慮があれば十分使えるレベルです。
段ボールを活用したDIY防音#
意外と侮れないのが段ボールです。「だんぼっち」という製品が6〜15万円で売られてることからも、段ボールの防音効果は実証済み。
自作するなら:
- 段ボール箱を複数重ねて「箱型」を作る
- 内側に吸音材(安価なウレタンスポンジでもOK)を貼る
- 換気用の穴は必ず開ける(熱中症注意!)
見た目は完全に段ボールですが、深夜配信を避ければ実用レベル。予算1万円以内で作れます。
時間帯を選ぶという「防音」#
実は一番コスパがいいのがこれ。
日中(10時〜19時くらい)なら、多少の生活音はお互い様です。防音性能D-30程度でも、時間帯次第で十分配信できます。
「深夜しか配信できない」という人以外は、時間調整も立派な防音戦略です。
予算10万円でできる防音戦略#
予算が10万円あると、選択肢が一気に広がります。
簡易防音ブースを購入する#
おすすめ製品:
- だんぼっち(6〜15万円):お手軽で実績あり
- Okudake DESK(12万円):デスク一体型
- 海外製簡易ブース(8〜10万円):デザイン重視ならアリ
だんぼっちは見た目がアレですが、配信者に人気の理由は「とにかく手軽」だから。組み立て簡単、移動も可能、処分も楽。
デメリットは狭さと暑さ。夏場はUSB扇風機必須です。あと見た目が完全に段ボール(それも味だけど)。
防音カーテン+吸音材の本格セット#
製品を買わずに、防音グッズで固める作戦もあります。
10万円の内訳例:
- 防音カーテン(厚手・大きめ):3万円
- 高品質吸音パネル:3万円
- 防音シート(床・壁用):2万円
- 隙間対策グッズ各種:1万円
- 換気扇・サーキュレーター:1万円
この方法なら、部屋全体の音環境を改善できます。配信以外でも快適になるのがメリット。
デメリットは設置に手間がかかること。賃貸だと原状回復も考えないといけません。
クローゼットを防音ブースに改造#
意外な盲点がクローゼット。すでに「箱型」になってるので、改造しやすいんです。
改造の手順:
- クローゼット内を片付ける
- 壁面に吸音材を貼る
- ドアの隙間を防音テープで埋める
- 小型デスク・椅子を配置
- 照明・換気を確保
予算5〜7万円で実用的な配信スペースが作れます。残りの予算で機材を充実させられるのも魅力。
ただし、換気は超重要。30分以上こもると酸欠気味になるので、定期的に扉を開けましょう。
賃貸でも安心|原状回復できる防音対策#
賃貸住まいの人が一番気にするのが原状回復。壁に穴を開けたり、接着剤を使うと退去時に困ります。
賃貸OKな防音方法:
- 突っ張り棒+カーテンで「部屋の中に部屋を作る」
- 置くだけタイプの吸音パネル(両面テープ不要)
- 簡易防音ブース(だんぼっち等)
- クローゼット改造(剥がせるテープのみ使用)
基本は「設置・撤去が簡単なもの」を選ぶこと。高価な防音室を買っても、引っ越しで処分になったらもったいないですからね。
防音対策の注意点|やってはいけないこと#
換気を軽視する#
防音を頑張りすぎて密閉しすぎると、マジで危険です。
配信中は体温上昇+機材の熱もあって、思った以上に暑くなります。夏場は熱中症リスクもあるので、換気は絶対に確保してください。
換気のコツ:
- USB扇風機を常設
- 30分に1回はドアを開ける
- 温度計を置いて26℃以上なら休憩
吸音と遮音を混同する#
よくある勘違いが「吸音材を貼れば外に音が漏れない」というもの。
- 吸音:部屋の中で音が反響するのを減らす
- 遮音:音が外に漏れるのを防ぐ
吸音材は音質改善には効果的ですが、遮音効果は限定的。外への音漏れを防ぐには、壁の構造そのものを変える必要があります。
低予算の対策は「完璧な遮音」ではなく「音質改善+最低限の配慮」と考えましょう。
隣人への配慮を忘れる#
どんなに防音しても、深夜2時に大声で叫べば苦情は来ます。
配信時間を日中メインにする、深夜は声のボリュームを抑える、こういった基本的な配慮が一番大事。防音グッズは「サポート」であって「魔法」じゃないんです。
予算別まとめ|どの戦略を選ぶ?#
予算3万円なら:#
おすすめ: 吸音材+カーテン+時間調整
完璧じゃないけど、今すぐ配信を始められます。将来的に予算が増えたらアップグレードする前提で。
予算10万円なら:#
おすすめ①(手軽さ重視): だんぼっち購入
おすすめ②(快適性重視): クローゼット改造
だんぼっちは設置が超簡単。クローゼット改造は快適だけど手間がかかります。自分の性格と相談して選びましょう。
本格的にやりたいなら:#
予算30万円〜なら、ちゃんとした簡易防音室も視野に入ります。ヤマハのセフィーネNS(110万円〜)は高いけど、毎日配信するなら投資価値はあります。
でも、まずは低予算で試してみて「本当に続けられるか」を確認するのが賢い選択だと思います。
最後に|完璧を目指さなくてもいい#
配信ブースって、完璧を目指すとキリがないんですよね。防音室で100万円、機材で50万円…って、そんなの趣味でやるには重すぎます。
大事なのは「今の予算で、できる範囲のことをやる」こと。3万円の環境でも、面白いコンテンツは作れます。
防音は「最低限の配慮」ができていればOK。あとは配信の中身で勝負しましょう。
防音よりも、あなたの声や企画の方が100倍大事ですから。