防音室を購入する際、一番失敗できないのが「サイズ選び」です。 「高かったのに、弓が壁に当たって弾けない…」 「譜面台を置いたら身動きが取れない…」
そんな悲劇を防ぐために、カタログの「畳数」だけでなく、実際の 「内寸(有効スペース)」 で選ぶ方法を解説します。

畳数表記の罠。「外寸」ではなく「内寸」を見ろ#
カタログに書かれている「1.2畳」「2.0畳」というサイズ。 これは通常、防音室の 「外側の大きさ」 を指しています。
防音室の壁は厚みが10cm前後あるため、「内寸(中で実際に使える広さ)」 はそれより一回り狭くなります。 必ずスペック表の「内寸(W×D×H)」を確認し、部屋にマーキングテープなどを貼って広さを実感してください。
サイズ別・推奨楽器リスト#
一般的なユニット防音室のサイズ別に、適した用途をまとめました。
0.8畳〜1.0畳(電話ボックスサイズ)#
極めて狭いです。動きの少ない用途に限られます。
- OK: ボーカル、ナレーション、クラリネット、フルート(ギリギリ)、オーボエ。
- NG: ギター(ネックが当たる)、バイオリン(弓が当たる)。
- 注意: 長時間の滞在は閉塞感があり、酸欠リスクも高めです。
1.2畳〜1.5畳(標準サイズ)#
最も売れ筋のサイズですが、楽器によっては「帯に短し襷に長し」になります。
- OK: アルトサックス、ギター弾き語り、バイオリン(立奏)、DTMデスク(小さめ)。
- Caution: トロンボーン(対角線配置なら可)、テナーサックス(少し窮屈)。
- 注意: アップライトピアノを入れるなら最低1.5畳は必要ですが、調律スペースを考えると2.0畳が理想です。
2.0畳〜2.5畳(個室感覚)#
動きのある楽器や、ピアノ、快適なデスクワーク向けです。
- OK: アップライトピアノ、トロンボーン、チェロ、PCデスク2台置き(配信環境)。
- 注意: このサイズになると、部屋への搬入やエアコンの設置も本格的な検討が必要です。
3.0畳以上(スタジオクラス)#
グランドピアノ(C3クラス)を入れるならここから。 アンサンブル(2人以上)の練習も可能になります。
設置スペースとメンテナンススペース#
忘れがちなのが、防音室の 「外側」 のスペースです。
- 空気層: 元の部屋の壁から、必ず5cm〜10cm離して設置する必要があります(防音性能確保とカビ防止のため)。
- 組立スペース: 施工業者が作業するためのスペースが必要です。
- ドアの開閉: 防音ドアは重厚で外開きが基本です。ドアが開く半径に家具がないか確認しましょう。
まとめ:高価な買い物だからこそ「新聞紙シミュレーション」#
サイズ選びで迷ったら、新聞紙をテープで貼り合わせて、検討している防音室の「内寸」を床に作ってみてください。 そこに譜面台と椅子を置き、楽器を構えてみる。
「あ、弓が当たる」「振り返れない」 このリアルな感覚こそが、カタログスペックよりも正しい答えです。
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