「春になると花粉が気になって、防音室の換気扇を止めてしまう……」
もしあなたが重度の花粉症(ヘイフェバー)で、防音室を一時的な避難所(サンクチュアリ)にしているなら、 その判断は非常に危険 です。防音室は極めて気密性が高いため、換気を止めるとわずか15分で二酸化炭素(CO2)濃度が上昇し、眠気や頭痛、パフォーマンスの低下を招きます。
結論から言えば、 「換気を止める」のではなく「高性能フィルターで花粉を濾(こ)し取る」のが正解 です。本記事では、春の防音室環境を完璧に整えるための3つのステップを解説します。
1. 換気を止めると起きる「酸欠」の恐怖#
防音室に入って「なんだかすぐ疲れる」「録音に集中できない」と感じたことはありませんか? それは花粉を恐れて換気を止めたことによる 二酸化炭素濃度の急上昇 が原因かもしれません。
- 15分で危険水域 : 1畳〜1.5畳の空間では、成人が1人いるだけでCO2濃度はあっという間に2000ppm(眠気を感じるレベル)を超えます。
- 機材への熱ダメージ : 春先でもPCや周辺機器は熱を持ちます。換気を止めると室温が上昇し、機材トラブルの原因にもなります。
2. 換気扇を「花粉ガード」仕様にアップデートする#
防音室に標準装備されている換気扇の多くは、大きなゴミを遮るだけの粗いフィルターしか付いていません。これを 花粉対応の高性能フィルター に交換しましょう。
ロスナイ専用・給気用高性能フィルター#
三菱電機のロスナイ(防音室によく使われる換気扇)には、花粉を95%以上カットする 「高性能除じんフィルター」 が別売で用意されています。
- ポイント : 自分で簡単に交換でき、音漏れ性能はそのままに花粉だけをシャットアウトできます。
給気口フィルター(ポレットなど)#
DIYで防音室を作っている場合や、壁に換気口(レジスター)がある場合は、後付けの給気口フィルター(例:キョーワナスタの「ポレット」)を貼るだけで、室内に侵入する花粉を激減させられます。
3. 室内に入り込んだ花粉を「空気清浄機」で仕留める#
どんなに気をつけても、入室時の服や髪に付着した花粉が室内に持ち込まれます。狭い防音室だからこそ、 卓上の小型空気清浄機 が絶大な効果を発揮します。
- 設置場所 : 自分の顔に近いデスクの上や、機材ラックの上が最適です。
- HEPAフィルター搭載機 : 0.3μmの粒子を99.97%以上キャッチできるHEPAフィルター付きのモデルを選んでください。

4. 春の防音室メンテナンス:掃除のコツ#
春の終わりには、防音室内を徹底的にクリーニングしましょう。
- フィルターの使い捨て : 春のシーズンが終わったら、フィルターは清掃せず新品に交換するのが衛生的です。
- 壁の拭き掃除は厳禁 : 吸音パネルの表面に花粉が吸い付いています。水拭きはせず、HEPAフィルター付きの掃除機で優しく吸い取ってください。
5. まとめ:春こそ「質の高い換気」でベストパフォーマンスを#
「花粉を入れないために閉め切る」という発想は、健康面からもパフォーマンス面からもNGです。
- 給気口に高性能フィルターを貼る
- 換気扇は常に回し続ける(24時間換気)
- 室内には小型空気清浄機を置く
この3点を徹底することで、春の辛い時期でも防音室はあなたの「最高のクリエイティブ拠点」であり続けます。新鮮な空気を取り込んで、快適な春の音楽ライフを楽しみましょう。

