「高いお金を出して防音室を買ったのに、隣から苦情が来たらどうしよう…」
最も不安なのは、やはり「実際の効果」ですよね。 カタログに書いてある「Dr-35」や「Dr-40」という数字を見ても、具体的にどれくらい音が消えるのかイメージしづらいのが本音でしょう。
この記事では、防音室の効果(遮音性能)を、数値ではなく「体感レベル」で分かりやすく解説します。
防音性能の指標「Dr等級(D値)」とは?#
防音室の性能は、JIS規格の「Dr等級(ディーアールとうきゅう)」で表されます。 簡単に言うと、「中の音をどれくらい減らせるか(マイナスできるか)」という数値です。
- Dr-30: 音を「-30dB(デシベル)」する
- Dr-40: 音を「-40dB(デシベル)」する
元の音が「90dB(ピアノなど)」で、防音室が「Dr-40」なら、 外に漏れる音は 90dB - 40dB = 50dB になります。
【体感レベル】Dr等級別の聞こえ方#
では、減衰後の音が「実際にどう聞こえるか」をイメージしてみましょう。 ※壁1枚隔てた隣の部屋での聞こえ方です。
Dr-30 〜 Dr-35(標準レベル)#
- 効果: 「人の話し声(普通の大きさ)」がほぼ聞こえなくなるレベル。
- 楽器の場合: ピアノの音は「テレビを小さめの音量で見ている」くらいに聞こえます。歌詞は聞き取れませんが、曲調は分かります。
- 向いている用途:
- テレワーク、ウェブ会議
- 日中のピアノ練習
- アコースティックギターの弾き語り
- フルートなどの管楽器(日中)
Dr-40(高性能レベル)#
- 効果: 「大声や怒鳴り声」でも、隣ではかすかに聞こえる程度。
- 楽器の場合: ピアノの音は「小さな話し声」程度まで下がります。テレビや生活音があれば、気にならないレベルです。夜間の練習も現実的になります。
- 向いている用途:
- 夜間のピアノ練習
- サックス、トランペット(金管楽器)
- 本格的なボイスレコーディング
- ゲーム実況(絶叫系)
Dr-50以上(スタジオ・業務用レベル)#
- 効果: 「外の世界と遮断された」静寂。
- 楽器の場合: ドラムセットを叩いても、隣の部屋では「遠くで何か鳴っているかな?」程度。ほぼ無音に近いです。
- 向いている用途:
- 生ドラムの演奏
- 24時間いつでも演奏したい
- プロ仕様のスタジオ構築
注意: ユニット型防音室(組立式)の限界は、一般的に「Dr-40」程度です。Dr-50以上を目指すなら、専門業者による「防音工事」が必要になります。

用途別:あなたに必要な性能は?#
失敗しない選び方は、「一番大きな音(ピーク音量)」に合わせて性能を選ぶことです。
歌ってみた・ゲーム実況・テレワーク
- 推奨: Dr-30 〜 Dr-35
- 人の声なら、標準的な防音室で十分カバーできます。ただし「絶叫」するスタイルならDr-40が安心です。
アップライトピアノ・アコギ・弦楽器
- 推奨: Dr-35 〜 Dr-40
- ピアノは音が大きく、床への振動もあるため、Dr-35以上は必須。夜間も弾くなら迷わずDr-40を選びましょう。
サックス・トランペット・金管楽器
- 推奨: Dr-40
- 音が鋭く貫通力があるため、高い遮音性能が必要です。Dr-30では不満が出る可能性が高いです。
生ドラム・低音楽器
- 推奨: Dr-50以上(+防振工事)
- 空気の音だけでなく「振動」が凄まじいため、ユニット防音室だけでは対策できません。高額なリフォーム工事が前提となります。
まとめ:隣人の生活音レベルまで下げればOK#
防音のゴールは「音をゼロにすること」ではありません。 「隣の家の生活音(エアコン、テレビ、冷蔵庫など)よりも小さくすること」です。
環境音に紛れてしまえば、人は音を「騒音」として認識しにくくなります。 自分の用途に合ったDr等級を選び、快適な防音ライフを手に入れましょう。
