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遮音と吸音の違いを徹底解説|防音室選びで失敗しないための基礎知識

·3109 文字·7 分
防音室 遮音 吸音 防音構造 防音材 技術解説
sasisi344
著者
sasisi344
外の音が気になったりマイクの音質とかを気にするようになったので、防音に関する総合的な情報を集めているうちに、このサイトが生まれました。
目次

「防音室に吸音材を貼れば、音漏れが防げますか?」

この質問をする方は多いのですが、答えは「No」です。

防音対策には「遮音」と「吸音」という2つの重要な概念があり、それぞれ役割が全く違います。遮音は音を外に漏らさない技術吸音は室内の音を整える技術です。

この違いを理解せずに防音室を選ぶと、「思ったより音が漏れる」「室内の響きが悪い」という失敗につながります。

この記事では、防音のプロが「遮音と吸音の違い」を徹底解説します。


遮音とは|音を「跳ね返す」技術
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遮音の定義
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遮音とは、音を遮り、外部に漏らさないようにする技術です。

音は空気の振動として伝わります。遮音は、この振動を物理的に「跳ね返す」または「遮断する」ことで、音が外部に伝わるのを防ぎます。

遮音の原理:

  • 重い・密度の高い素材を使う
  • 空気の振動を跳ね返す
  • 外部への音の透過を減らす

遮音性能の指標「D値」
#

遮音性能は、前述した「D値」で表されます。

D値遮音性能隣室での聞こえ方
D-30小さく聞こえる
D-40かすかに聞こえる
D-50ほぼ聞こえない
D-60非常に高完全に遮音

遮音材の種類
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遮音に使われる材料は、重く、密度が高いものが基本です。

主な遮音材:

材料密度特徴
コンクリート非常に高い建物の構造材として最適
石膏ボード高い安価で施工しやすい
遮音シート中〜高柔軟性があり、隙間なく施工可能
鉛シート非常に高い薄くても高い遮音性能(現在はあまり使用されない)

[!IMPORTANT] 遮音材は「重さ」が命。軽い素材では高い遮音性能は得られません。


吸音とは|音を「吸収する」技術
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吸音の定義
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吸音とは、音のエネルギーを吸収し、音の反射を抑える技術です。

音は空間内で反射し、エコー(反響)を生み出します。吸音は、この反射を減らし、クリアな音環境を作ります。

吸音の原理:

  • 多孔質(穴が多い)素材を使う
  • 音エネルギーを熱エネルギーに変換
  • 音の反射を抑える

重要なポイント:吸音は音を外に漏らさない効果はほとんどありません。

吸音率の指標
#

吸音性能は「吸音率(α)」で表され、0〜1の値を取ります。

吸音率性能素材例
0.0〜0.2低いコンクリート、ガラス
0.2〜0.5中程度カーペット、カーテン
0.5〜0.8高いグラスウール、ウレタンフォーム
0.8〜1.0非常に高い特殊吸音材(ロックウール等)

吸音材の種類
#

吸音材は、軽く、多孔質なものが基本です。

主な吸音材:

材料特徴用途
グラスウールガラス繊維の綿状素材壁内部、天井裏
ロックウール岩石繊維の綿状素材防音室の内装
ウレタンフォームスポンジ状の素材録音スタジオ、配信ブース
吸音パネル表面に凹凸のあるパネル壁面装飾兼用

[!TIP] 吸音材は「軽くてスカスカ」が基本。重い素材は吸音には向きません。


遮音と吸音の違い|一覧表で比較
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項目遮音吸音
目的音を外に漏らさない室内の音を整える
原理音を跳ね返す音を吸収する
素材の特徴重い・密度が高い軽い・多孔質
主な素材コンクリート、石膏ボードグラスウール、ウレタンフォーム
効果外部への音漏れ防止室内のエコー・反響を抑える
性能指標D値(遮音等級)吸音率(α)
単独使用音漏れは防げるが、室内が響く室内は快適になるが、音は漏れる

ポイント:遮音と吸音は別物。両方を組み合わせることで、理想的な防音環境が完成します。


よくある誤解と正しい知識
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誤解1: 「吸音材を貼れば音漏れが防げる」
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× 誤解: 壁に吸音材(ウレタンフォーム等)を貼れば、音が外に漏れなくなる
○ 正解: 吸音材は音を吸収するだけで、音漏れは防げない

理由:

  • 吸音材は軽くて多孔質のため、音を透過させてしまう
  • 遮音性能(D値)はほぼゼロ
  • 音が外に漏れるのを防ぐには、遮音材が必須

実例:

  • YouTubeの配信ブースで、壁一面にウレタンフォームを貼っている映像を見たことがあるかもしれません。これは「室内の音質を良くするため」であり、「音漏れを防ぐため」ではありません。

誤解2: 「遮音材だけで防音は完璧」
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× 誤解: 石膏ボードやコンクリートで壁を厚くすれば、それだけで十分
○ 正解: 遮音材だけでは、室内の響きが悪くなる

理由:

  • 遮音材は音を跳ね返すため、室内で音が反射しまくる
  • 楽器演奏や録音では、エコーがひどくなり、音質が悪化
  • 快適な音環境には、吸音材との組み合わせが必須

実例:

  • コンクリート打ちっぱなしの部屋で演奏すると、音が響きすぎて不快になる経験をしたことがあるかもしれません。これは遮音はできているが、吸音がないためです。

誤解3: 「防音カーテンで十分」
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× 誤解: 防音カーテンを設置すれば、音漏れが防げる
○ 正解: 防音カーテンは「吸音効果」が主で、遮音効果は限定的

理由:

  • 防音カーテンは布製で軽いため、遮音性能は非常に低い
  • 高音域の反射を抑える吸音効果はあるが、低音は透過する
  • 「隣人からの生活音を軽減する」程度の効果

適切な用途:

  • 室内のエコーを抑える
  • 窓からの高音域の音漏れを「やや」軽減する

防音室における遮音と吸音の組み合わせ
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防音室は、遮音構造と吸音材を組み合わせて設計されています。

標準的な防音室の構造
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外側(遮音層):

  1. 外壁:石膏ボード + 遮音シート
  2. 空気層:振動を遮断
  3. 内壁:石膏ボード

内側(吸音層): 4. 吸音材:グラスウール、ロックウール 5. 内装仕上げ:吸音パネル、クロス

この構造により:

  • 遮音層が音を外に漏らさない
  • 吸音層が室内の音を整える

用途別の最適バランス
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用途遮音重視度吸音重視度
ピアノ練習室
録音スタジオ
配信・実況ブース
ドラム練習室非常に高

例:録音スタジオ

  • 遮音:D-60以上(外部への音漏れ完全遮断)
  • 吸音:吸音率0.6以上(クリアな音質)

例:配信ブース

  • 遮音:D-30〜40(生活音レベルの遮音)
  • 吸音:吸音率0.7以上(マイクに不要な反響が入らない)

DIY防音の落とし穴
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「自分で防音室を作りたい」という方も多いですが、遮音と吸音の違いを理解しないと失敗します。

よくあるDIY失敗例
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失敗例1: 壁一面にウレタンフォームを貼る
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やったこと: Amazonで吸音ウレタンフォームを大量購入し、壁全面に貼る
結果: 室内の音はクリアになったが、隣人から「うるさい」と苦情が来た

原因: 吸音材は音漏れを防がない

失敗例2: 石膏ボードだけで壁を厚くする
#

やったこと: ホームセンターで石膏ボードを買い、壁に何層も貼る
結果: 音漏れは減ったが、室内がエコーだらけで演奏しにくい

原因: 遮音材だけでは室内の響きが制御できない

DIY防音の正しい手順
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ステップ1: 目的を明確にする

  • 音漏れを防ぎたい → 遮音重視
  • 室内の音質を良くしたい → 吸音重視
  • 両方 → 遮音 + 吸音の組み合わせ

ステップ2: 遮音層を作る

  • 石膏ボード + 遮音シートを壁に施工
  • 隙間を完全に塞ぐ(コーキング材を使用)
  • ドア・窓の気密性を高める

ステップ3: 吸音層を追加する

  • グラスウール、ロックウールを壁内部に充填
  • 表面に吸音パネルを設置

ステップ4: 検証する

  • 実際に音を出して、外部での聞こえ方を確認
  • 室内の音質をチェック

まとめ|遮音と吸音を使い分ける
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遮音と吸音の違いをまとめると:

遮音:

  • 音を外に漏らさない
  • 重く、密度の高い素材を使う
  • D値で性能を表す

吸音:

  • 室内の音を整える
  • 軽く、多孔質な素材を使う
  • 吸音率で性能を表す

防音室の理想的な構成:

  • 外側に遮音層(石膏ボード + 遮音シート)
  • 内側に吸音層(グラスウール + 吸音パネル)

最終アドバイス:

  1. 「音漏れを防ぐ」には遮音が必須
  2. 「室内の音質を良くする」には吸音が必須
  3. 両方を組み合わせることで、理想的な防音環境が完成

この知識を持って、自分に最適な防音室を選んでください。


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