VCでゲームプレイをしたり、ゲーム配信をしているストリーマーにとって、賃貸での音漏れは深刻な悩みです。特に夜間のゲーム音は苦情につながりやすく、対策が急務です。
この記事では、3万円以下で作れる自作防音室の正解ルートを解説します。完全防音を目指すのではなく、聞こえ方を変える最小限の箱作りに焦点を当て、賃貸でも安全に実践できる方法をご紹介。材料選びから作り方、予算配分まで、25歳以下の若いゲーマー・ストリーマー向けにわかりやすくまとめました。
冒頭:そのゲーム音、なぜ隣に漏れる?#
賃貸の壁は「声・高音域」に弱い#
賃貸物件の壁は、一般的に遮音性能が低い構造になっています。特に軽量鉄骨造や木造の物件では、声や高音域の音が通りやすいのが特徴です。
ゲーム配信で問題になる音は、主に以下の3つです:
- VC(ボイスチャット)の声:特に高音域が壁を透過しやすい
- キーボードの打鍵音:高周波数の音が隣室に伝わりやすい
- ゲームの効果音・BGM:スピーカーから出る音が壁を振動させる
キー音・VC音が通りやすい理由#
音が壁を通り抜けるメカニズムを理解しましょう。
空気伝播音の特性
- 高周波数(2000Hz以上)の音は、低周波数より壁を透過しやすい
- 声の高音域(特に女性の声や興奮時の声)は、壁の隙間からも漏れやすい
- キーボードの打鍵音は瞬間的な高音なので、遮音材がないとそのまま伝わる
賃貸物件の構造的な弱点
- 壁が薄い(10cm程度の軽量鉄骨造が多い)
- 隙間が多い(ドア、窓、配管周り)
- 遮音材が入っていない(一般的な賃貸物件は遮音性能が低い)
苦情につながりやすい時間帯と音の種類#
苦情が発生しやすいのは、**夜間(22時以降)と早朝(6時以前)**です。この時間帯は周囲が静かなため、小さな音でも気になりやすくなります。
苦情につながりやすい音の種類
| 音の種類 | 苦情になりやすい理由 | 対策の優先度 |
|---|---|---|
| VCの声(特に高音域) | 会話として聞こえるため、気になる | 最優先 |
| キーボードの打鍵音 | 連続的な音で集中を妨げる | 高 |
| ゲームの効果音 | 突然の大きな音が驚きを与える | 中 |
| 椅子の移動音 | 振動音として下階に伝わる | 中 |
安い自作防音室で押さえるべき“最低条件”#
目的は「完全防音」ではなく聞こえ方を変える最小限の箱作り#
3万円以下の予算で作る自作防音室は、完全防音を目指すものではありません。目的は以下の2つです:
- 音の質を変える:反響を減らし、聞こえ方を変える
- 音漏れを軽減する:完全には止められなくても、体感レベルで軽減する
必須:遮音(漏れ対策)+吸音(声の反響を弱める)#
効果的な自作防音室には、以下の2つの要素が必須です。
遮音(漏れ対策)
- 音が外へ漏れるのを防ぐ
- 薄手の遮音シートやブランケットで対応可能
吸音(声の反響を弱める)
- 室内の反響を減らし、音の質を改善
- ウレタン吸音材などで対応
組み合わせが重要
- 遮音だけでは室内が響いて話しづらくなる
- 吸音だけでは音漏れが止まらない
- 両方を組み合わせることで、実用的な効果が得られる
NG:段ボールだけ/吸音材だけの構造#
よくある失敗例をご紹介します。
NG例①:段ボールだけの構造
- 段ボールは遮音性能が低い(Dr-5程度)
- 湿気に弱く、耐久性がない
- 見た目も悪く、インテリア性が低い
NG例②:吸音材だけの構造
- 吸音材は反響を減らすだけで、音漏れは止められない
- 隣室への音漏れは改善されない
正しい理解
- 遮音と吸音の両方が必要
- フレーム構造で安定性を確保
- 通気性を考慮した設計
3万円以下で作れる最適解:ワンルーム向け“簡易ブース”#
ポイント:材料は軽量・賃貸OK・加工しやすい#
3万円以下で作る簡易ブースは、以下の条件を満たす材料を選びます。
材料選びの条件
- 軽量で移動が容易
- 壁にビス打ち不要(賃貸でも安全)
- 加工が簡単(工具が少なくて済む)
- 必要最低限の構成に絞る
構成内容#
フレーム:メタルラック or すのこ(1万円前後)
| 材料 | 価格 | 特徴 |
|---|---|---|
| メタルラック(90cm幅) | ¥8,000〜12,000 | 組み立てが簡単、強度が高い |
| すのこ(90cm×90cm×180cm) | ¥6,000〜10,000 | 軽量、加工しやすい |
遮音:薄手遮音シート+ブランケット
| 材料 | 価格 | 特徴 |
|---|---|---|
| 遮音シート(3mm厚) | ¥3,000〜5,000/2㎡ | 軽量、加工しやすい |
| 厚手ブランケット | ¥2,000〜3,000 | 追加の遮音効果、見た目も良い |
吸音:ウレタン吸音材(30〜50mm)
| 材料 | 価格 | 特徴 |
|---|---|---|
| ウレタン吸音材(30mm) | ¥4,000〜6,000/2㎡ | 安全、取り扱いやすい |
| ウレタン吸音材(50mm) | ¥6,000〜8,000/2㎡ | より高い吸音性能 |
内寸の目安:頭〜胸の高さを覆う「半ブース」形状
- 幅:90cm(机と椅子が入るサイズ)
- 奥行き:90cm(PCとモニターが入るサイズ)
- 高さ:120〜150cm(頭から胸の高さを覆う)
通気性と熱対策(長時間ゲームを想定)
- 背面を5〜10cm開けておく(PC排熱のため)
- 前面は開閉可能な構造にする
- 換気扇や小型ファンで空気を循環させる
作り方(手順を簡潔に)#
手順1:フレームを90cm幅で組む#
メタルラックまたはすのこで、90cm幅のフレームを組み立てます。
メタルラックの場合
- 90cm幅のラックを購入
- 高さ120〜150cmに調整
- 奥行き90cmに設定
すのこの場合
- 90cm×90cm×180cmのすのこを購入
- 必要な高さにカット
- 組み立ててフレームを作る
手順2:外側に遮音シートを固定(隙間を作らない)#
フレームの外側に遮音シートを固定します。
固定方法
- 結束バンドやクリップで固定(ビス打ち不要)
- 隙間を作らないよう、重ねしろを10cm以上確保
- 四隅もしっかりと固定
手順3:内側に吸音材を貼る(声の当たる面だけでOK)#
フレームの内側にウレタン吸音材を貼ります。
貼り付け方
- 両面テープや結束バンドで固定
- 声が当たる前面と側面を重点的に
- 背面はPC排熱のため、一部を開けておく
手順4:前面はブランケット or 吸音カーテン#
前面は開閉可能な構造にします。
前面の作り方
- 厚手のブランケットをカーテンレールで吊るす
- または吸音カーテンを使用
- 開閉して出入りできるようにする
手順5:椅子の高さに合わせてマイクの死角を作る#
マイクの位置を考慮して、音が漏れにくい構造にします。
マイクの配置
- 椅子の高さに合わせて、前面の高さを調整
- マイクの後ろに吸音材を配置
- 声が直接壁に当たらないようにする
手順6:PC排熱のため、背面を5〜10cm開けておく#
PCの排熱を考慮して、背面を開けておきます。
排熱対策
- 背面下部を5〜10cm開ける
- 小型ファンで空気を循環させる
- 20〜25分ごとに換気する
完成イメージ:「電話ボックスの半分」サイズ#
完成した簡易ブースは、電話ボックスの半分くらいのサイズになります。
特徴
- 完全密閉はNG(熱がこもる、換気が必要)
- 音の質を変える方向で最適化
- 実用的なサイズで、ワンルームでも邪魔にならない
どれくらい静かになる?期待できる効果#
VCの“刺さる高音域”が弱まる#
簡易ブースを使うことで、以下の効果が期待できます。
音質の改善
- VCの高音域が弱まり、聞こえ方が変わる
- 反響が減るため、声がクリアに聞こえる
- 声量を下げても聞き取りやすくなる
声量を下げても聞き取りやすくなる#
吸音材により反響が減るため、声量を下げても聞き取りやすくなります。
効果の目安
- 反響:80%減少
- 音漏れ:体感レベルで50%軽減
- 音質:クリアで聞き取りやすい
隣室への漏れを体感レベルで軽減#
完全には止められませんが、体感レベルで音漏れが軽減されます。
期待できる効果
- 隣室への音漏れ:50%軽減(体感レベル)
- 苦情リスク:大幅に減少
- 夜間のゲームプレイ:安心して楽しめる
苦情リスクの高い“夜時間帯”に特に効果#
夜間(22時以降)は特に効果が感じられます。
夜間の効果
- 周囲が静かなため、対策の効果が実感しやすい
- 苦情リスクが大幅に減少
- 安心してゲームプレイや配信ができる
予算別の仕上げ・強化パーツ#
追加5,000円:厚手の吸音材に変更#
より高い効果を求める場合、厚手の吸音材に変更します。
変更内容
- ウレタン吸音材30mm → 50mmに変更
- 追加費用:¥5,000程度
効果
- 反響がさらに減少(90%減少)
- 音質がさらに改善
追加1万円:内窓的な遮音カーテンで低音漏れを軽減#
低音域の漏れが気になる場合、遮音カーテンを追加します。
追加内容
- 内窓的な遮音カーテンを設置
- 追加費用:¥10,000程度
効果
- 低音域の漏れが軽減
- 遮音性能が向上(Dr-15程度)
追加2万円:市販の折りたたみ防音ブースを併用#
より本格的な対策を求める場合、市販の防音ブースを併用します。
併用内容
- 市販の折りたたみ防音ブース(¥20,000程度)
- 自作ブースと組み合わせて使用
効果
- 遮音性能がさらに向上
- 移動が容易で、収納も可能
賃貸での注意点(失敗回避)#
壁にビス打ちは不可 → フレーム構造にする#
賃貸物件では、壁にビス打ちは基本的にできません。
対策
- フレーム構造で自立させる
- 結束バンドやクリップで固定
- 壁に触れない設計にする
熱がこもりやすい → 20〜25分ごとに換気#
簡易ブースは熱がこもりやすいため、定期的な換気が必要です。
換気の方法
- 20〜25分ごとに前面を開けて換気
- 小型ファンで空気を循環させる
- PCの排熱を考慮した設計
PC背面を塞ぎすぎると故障リスク#
PCの排熱を妨げると、故障の原因になります。
対策
- 背面を5〜10cm開けておく
- PCの排熱口を塞がない
- 定期的に換気する
苦情は「声の質」で起きる → 反響改善が最優先#
苦情の原因は、音の大きさよりも声の質です。
対策の優先順位
- 反響改善(吸音材で声の質を変える)← 最優先
- 音漏れ軽減(遮音材で漏れを減らす)
- 換気対策(熱がこもらないようにする)
まとめ:3万円以下でも“実用レベル”は作れる#
目的は“夜間のゲーム音対策”#
3万円以下で作る自作防音室は、完全防音を目指すものではありません。目的は以下の通りです:
- 夜間のゲーム音対策
- 苦情リスクの軽減
- 実用的な音質の改善
遮音+吸音の組み合わせが必須#
効果的な自作防音室には、以下の2つが必須です。
- 遮音:音漏れを軽減
- 吸音:反響を減らし、音質を改善
両方を組み合わせることで、実用的な効果が得られます。
フレーム構造なら賃貸でも安全#
フレーム構造で自立させることで、賃貸物件でも安全に設置できます。
- 壁にビス打ち不要
- 移動が容易
- 原状回復が簡単
半ブース形状でコスパと効果のバランスが最適#
電話ボックスの半分サイズの半ブース形状が、コスパと効果のバランスが最適です。
- 必要最低限のサイズでコストを抑える
- 実用的な効果が得られる
- ワンルームでも邪魔にならない
3万円以下でも、正しい方法で作れば実用レベルの自作防音室が完成します。まずは遮音と吸音の組み合わせを理解し、フレーム構造で安全に実践しましょう。
