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マイク選びと配信防音|ダイナミックvsコンデンサー

·2957 文字·6 分
配信・クリエイター向け マイク選び ダイナミックマイク コンデンサーマイク 音質
sasisi344
著者
sasisi344
外の音が気になったりマイクの音質とかを気にするようになったので、防音に関する総合的な情報を集めているうちに、このサイトが生まれました。
目次

配信用のマイクを選ぶとき、「ダイナミック」と「コンデンサー」どっちがいいか迷いますよね。

実は、あなたの防音環境によって最適なマイクは変わります。高級なコンデンサーマイクを買っても、防音が不十分だと逆に音質が悪くなることもあるんです。

今回は、防音レベル別のマイク選びと、それぞれのメリット・デメリットを徹底解説します。

ダイナミックとコンデンサーの基本的な違い
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ダイナミックマイクとは
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仕組み:物理的な振動で音を拾う

  • 頑丈で壊れにくい
  • 感度が低め=近い音だけを拾う
  • 電源不要(XLR接続時)
  • ライブやカラオケで使われるタイプ

代表的なモデル

  • SHURE SM58(定番・1万円台)
  • SHURE SM7B(配信者に人気・5万円前後)
  • Audio-Technica AT2040(コスパ良・1.5万円)

コンデンサーマイクとは
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仕組み:電気的に音を増幅して拾う

  • 繊細で高音質
  • 感度が高い=遠くの音も拾う
  • 電源が必要(ファンタム電源)
  • レコーディングスタジオで使われるタイプ

代表的なモデル

  • Audio-Technica AT2020(入門・1万円)
  • Blue Yeti(USB・配信人気・1.5万円)
  • RODE NT1-A(本格派・2.5万円)

防音環境別のマイク選び
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ここが最も重要なポイントです。

【防音なし・簡易防音】ダイナミック一択
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環境の特徴

  • 一般的な部屋、防音対策なし
  • 簡易防音ブース(だんぼっち等)
  • 生活音が普通に聞こえる環境

なぜダイナミックが良いのか

コンデンサーマイクは感度が高すぎて、こんな問題が起きます:

  • キーボードのタイプ音が盛大に入る
  • マウスクリック音が響く
  • 冷蔵庫やエアコンの音を拾う
  • 外の車や工事の音まで入る

ダイナミックマイクなら

  • 口元に近づけた音だけを拾う
  • 背景ノイズを大幅カット
  • 多少うるさい環境でもクリアな音質

おすすめマイク

  • 予算1.5万円:Audio-Technica AT2040
  • 予算3万円:SHURE SM7B(定番中の定番)
  • USB接続なら:Samson Q2U(1万円・初心者向け)

【中程度の防音】用途で使い分け
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環境の特徴

  • 防音室(D-40〜50程度)
  • 防音賃貸の簡易防音室
  • 夜間は気を遣うレベル

トーク・ゲーム実況→ダイナミック

理由:

  • PCファンやキーボード音がまだ気になる
  • マウスクリックが多いゲーム実況には必須
  • 声だけをしっかり拾いたい

歌配信・ASMR→コンデンサー

理由:

  • 声の繊細なニュアンスを表現したい
  • 息遣いや音の質感が重要
  • 静かな環境を前提にした配信

【本格防音】コンデンサーの真価を発揮
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環境の特徴

  • 防音室(D-50〜60以上)
  • 防音賃貸の本格防音仕様
  • 環境音がほぼゼロの状態

コンデンサーマイクのメリットが活きる

  • 声の質感が圧倒的に良くなる
  • 小さな声のニュアンスも拾える
  • プロレベルの音質を実現

注意点

  • 防音室内の反響(エコー)対策が必要
  • 吸音パネルとセットで使うこと
  • マイクと壁の距離を適切に取る

おすすめマイク

  • 予算2.5万円:RODE NT1-A(超低ノイズ)
  • 予算4万円:AKG C214(バランス型)
  • USB接続なら:Blue Yeti X(2.5万円・高機能)

マイクの指向性も重要
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マイクの種類だけでなく、「指向性」も防音と大きく関係します。

単一指向性(カーディオイド)
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特徴

  • 正面の音だけを拾う
  • 背面と側面の音を拾いにくい

メリット

  • 背景ノイズが入りにくい
  • キーボード・マウスを背面に配置すれば軽減
  • ほとんどの配信に最適

推奨環境:防音なし〜中程度の防音

全指向性(オムニ)
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特徴

  • 360度すべての音を拾う

メリット

  • 自然な音質
  • マイクの向きを気にしなくていい

デメリット

  • 環境音も全部拾う
  • 防音環境がないと使えない

推奨環境:本格防音室のみ

双指向性(フィギュア8)
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特徴

  • 正面と背面の音を拾う
  • 左右の音は拾わない

用途

  • 対談・複数人配信
  • 向かい合って座る形式

推奨環境:中程度〜本格防音

マイクの距離と防音の関係
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近距離収音(5〜15cm)
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特徴

  • ダイナミックマイクの基本スタイル
  • 口元にマイクを近づける

メリット

  • 声が大きく明瞭に録れる
  • 環境音の影響を最小限に
  • 防音が不十分でも使える

デメリット

  • 「ボフッ」というリップノイズ
  • ポップガードが必須
  • 見た目が配信画面に入る

中距離収音(20〜40cm)
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特徴

  • コンデンサーマイクの理想的な距離
  • 顔の前、デスク上に設置

メリット

  • 自然な声の質感
  • 顔がはっきり見える(カメラ配信)
  • 適度な距離感

デメリット

  • ある程度の防音環境が必要
  • キーボード音が入りやすい

推奨環境:D-45以上の防音

遠距離収音(50cm以上)
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特徴

  • 高感度コンデンサーで可能
  • ほぼ見えない位置に設置

メリット

  • 画面に映らない
  • 動きの自由度が高い

デメリット

  • 本格的な防音室が必須
  • 環境音を完全に遮断する必要

推奨環境:D-55以上の防音

予算・環境別のおすすめセット
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【予算2万円・防音なし】
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マイク本体

  • Audio-Technica AT2040:15,000円

周辺機器

  • オーディオインターフェース:5,000円
  • マイクスタンド:3,000円
  • ポップガード:1,000円

合計:24,000円

【予算5万円・簡易防音】
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マイク本体

  • SHURE SM7B:50,000円

周辺機器

  • オーディオインターフェース:15,000円
  • マイクアーム:8,000円
  • ポップガード:2,000円

合計:75,000円

※SM7Bは音量が小さいのでゲインが高いインターフェースが必要

【予算10万円・本格防音】
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マイク本体

  • RODE NT1-A:25,000円

周辺機器

  • 高品質オーディオIF:40,000円
  • プロ用マイクスタンド:15,000円
  • ショックマウント付属
  • ポップガード:3,000円
  • 吸音パネルセット:15,000円

合計:98,000円

マイクだけでは解決しない問題
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防音室の反響対策は必須
#

高級コンデンサーマイクを買っても、部屋の音響が悪いと:

  • エコー(反響)が酷い
  • こもった音質になる
  • せっかくの高音質が台無し

必ず吸音対策とセットで考える

  • 吸音パネルを壁に貼る
  • カーペット・カーテンで反響を抑える
  • 家具や本棚で音を整える

ノイズゲートは必須
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どんなマイクでも、ノイズゲート設定は重要です。

設定のコツ

  • OBSやDiscordのノイズゲート機能
  • しきい値を調整して環境音をカット
  • ただし切りすぎると声が途切れる

おすすめツール

  • RTX Voice(NVIDIA GPU)
  • Krisp(有料だが高性能)
  • OBS標準フィルター(無料)

よくある質問
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Q. USBマイクとXLRマイク、どっちがいい?

A. 初心者ならUSBが手軽です。XLRは音質が良く拡張性もありますが、オーディオインターフェースが必要で費用がかかります。

Q. 配信者に人気のBlue Yetiは?

A. 高感度なので、防音環境がないとキーボード音を盛大に拾います。静かな環境で歌配信やASMRをするなら優秀です。

Q. ダイナミックは音質が悪い?

A. そんなことはありません。SM7Bなど配信者に人気のモデルは、適切な環境なら非常に高音質です。むしろ防音なし環境では、ダイナミックの方がクリアに聞こえます。

まとめ:環境に合ったマイクを選ぼう
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マイク選びの鉄則をおさらいします。

選び方の基本

  1. まず自分の防音環境を把握する
  2. 環境に合ったマイクタイプを選ぶ
  3. 指向性と距離を考慮する
  4. 吸音対策とセットで考える

環境別まとめ

  • 防音なし:ダイナミック一択
  • 簡易〜中程度の防音:用途でダイナミックorコンデンサー
  • 本格防音:コンデンサーで高音質を追求

「高いマイク=良い音」ではなく、「環境に合ったマイク=良い音」です。

まずは自分の部屋の防音レベルを確認してから、最適なマイクを選んでくださいね!

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