「防音室に入れたギターにカビが生えた…」 「冬場、バイオリンのペグが動かないくらい乾燥している…」
防音室ユーザーを悩ませる、「湿気」と「乾燥」 の問題。 防音室はその高い気密性ゆえに、一般的な部屋よりも温湿度の環境が過酷になりがちです。
今回は、大切な楽器を守るための湿度管理テクニックを徹底解説します。

防音室は「巨大なタッパー」である#
防音室は音を漏らさないために、隙間を極限までなくした「高気密・高断熱」な箱です。 これは食品保存容器(タッパー)と同じで、一度中の環境が変わると、空気が入れ替わりにくいことを意味します。
夏のリスク(多湿・カビ)#
人間が防音室に入って演奏すると、呼気と汗で湿度が急上昇します。 そのままドアを閉め切ると、湿気は逃げ場を失い、吸音材や楽器ケースの中で結露し、最悪の場合はカビが発生します。
冬のリスク(過乾燥)#
エアコン暖房をつけると、狭い空間なので一気に乾燥します。湿度20%台になることも珍しくなく、木製楽器にとってはひび割れのリスクがある危険な状態です。
理想の目標値は、湿度40%〜50%です。
基本の湿度対策:換気と調湿剤#
1. 24時間換気は絶対止めない#
多くの防音室には「ロスナイ」などの換気扇がついています。 「音が漏れるから」と演奏時以外止めてしまう人がいますが、絶対にNG です。 常に空気を動かし続けることが、カビ予防の第一歩です。
2. 演奏後のドア開放#
練習が終わったら、すぐにドアを閉めず、数分〜数十分は開けっ放しにして、室内の湿気を逃がしましょう。サーキュレーターで風を送るとより効果的です。
3. 調湿剤の活用#
楽器ケースの中には、必ず楽器用の湿度調整剤を入れてください。 また、防音室の床の隅に「炭八」などの大きめの調湿木炭を置いておくのも、湿度のバッファ(緩衝材)として有効です。
機械の力:除湿機とエアコンの活用#
エアコンのドライ機能#
夏場はエアコンの「除湿(ドライ)」が最強です。ただし、部屋が冷えすぎる場合があるので注意が必要です。
コンプレッサー式除湿機#
エアコンがない場合や、梅雨時は除湿機が活躍します。 夏場は室温が上がりにくい「コンプレッサー式」がおすすめ。 音が出るので演奏中はOFFにし、退室後にタイマーで稼働させると良いでしょう。
気化式加湿器#
冬場の乾燥対策には加湿器が必要ですが、スチーム式や超音波式は結露のリスクがあります。 防音室には、フィルターに風を当てて加湿する「気化式」が、過加湿になりにくく安全です。
まとめ:1,000円の投資で楽器を守る#
とにもかくにも、まずは 「温湿度計」 を防音室の中に置いてください。 Amazonで1,000円程度で買えるデジタル式で十分です。
「今の湿度は何%か?」 これを常に意識するだけで、あなたの楽器の寿命は劇的に延びます。
関連記事#
- [フルートの酸欠]: 換気扇で酸欠とカビを防ぐ
- [バイオリン防音]: 木製楽器は湿気に弱い!
