「メーカーの防音室は安くても50万円…。高すぎる!」 「ホームセンターで材料を買って、自分で作れば10万円で済むんじゃないか?」
誰もが一度は考える「自作防音室(DIY)」の道。 YouTubeには成功事例もたくさん上がっていますが、安易に手を出すと**「巨大な粗大ゴミ」**を部屋に作ることになりかねません。
今回は、自作防音室のリアルな性能限界と、向き不向きについて忖度なしで解説します。

DIY防音室の性能限界は「隙間」と「ドア」で決まる#
理論値 vs 実測値#
石膏ボードや遮音シートを何重にも貼れば、壁単体の遮音性能はプロ製品並みに出せます。これが「質量則」です。 しかし、防音室全体の性能(Dr値)は、「一番弱いところ」 で決まります。
1%の隙間が命取り#
防音の世界には恐ろしい法則があります。 「壁に1%の隙間があるだけで、遮音性能は20dB低下する」 という事実です。
素人のDIY施工では、どうしても天井や床の角にミリ単位の隙間ができます。 さらに最大の難関が 「防音ドア」 です。 気密性の高いドア(グレモンハンドル等)を自作するのは極めて困難で、ここから音が漏れ放題になります。
結果として、自作防音室の限界性能は Dr-25〜Dr-30 程度。 これは「人の話し声が少し小さくなる」レベルで、楽器の音を止めるには不十分です。
コスト:材料費だけで考えてはいけない#
「材料費5万円で作れました!」という動画もありますが、隠れたコストを忘れてはいけません。
- 材料費: 木材、石膏ボード、遮音シート、吸音材。まともな広さを作るなら最低10万円〜。
- 工具費: 丸ノコ、電動ドライバー、コーキングガンなど。
- 時間コスト: 設計、買い出し、施工、修正。慣れていないと平気で1ヶ月分の週末が消えます。
- 廃棄コスト: 失敗した時、あるいは引っ越しの時。自作の小屋を解体して捨てるのは、作るより大変です。
DIY防音室が向いている人、やめたほうがいい人#
向いている人#
- 使用用途: ゲーム実況、テレワーク、ボーカル(歌ってみた)。
- スキル: 日曜大工に慣れており、隙間をコーキングで埋める執念がある。
- 環境: 戸建てで、多少音漏れしても家族が許してくれる。
向いていない人(既製品を買うべき人)#
- 使用用途: ドラム、サックス、トランペット、ピアノ。
- 環境: マンション・アパート(近隣トラブルが許されない)。
- スキル: DIY初心者。
まとめ:DIYは「安さ」より「ロマン」#
自作防音室は、コスト削減の手段としてはリスクが高いです。 「だんぼっち」や中古の防音室を買ったほうが、結果的に安く、確実な性能が手に入ることが多いです。
それでも「自分の手で秘密基地を作りたい!」というロマンがある方だけ、覚悟を決めて挑戦してください。
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