結論 : 100均のワイヤーネットとブランケットで作る「机の下ブース」は、マイクの反響を抑える効果は高いですが、外への音漏れは防げません。何より「熱中症と酸欠」のリスクに厳重な注意が必要です。
深夜のボイスチャットやゲーム実況。家族に内緒で自分だけの防音室を作りたいという情熱は、エンジニアとして理解できます。
SNSで話題の「机の下をワイヤーネットとブランケットで囲う」DIYは、手軽な秘密基地として人気です。しかし、音響的なメリットと、運用上の致命的なリスクをプロとして指摘します。
良い点 : 反響が消えて没入感は最高になる#
このDIYの最大のメリットは、狭い空間を柔らかい布で覆い、音の反射をコントロールできる点です。
声のエコーが消滅する#
人間の声が壁に反射して響く現象を「反響」と呼びます。 毛布やブランケットは 吸音材 として機能し、マイクに混じる余計な余韻をカットします。 結果として、ポッドキャストやASMR配信のようなクリアな音質を、わずかな予算で実現可能です。
悪い点 : 家族への音漏れは防げない#
最も勘違いされやすいのが、防音(遮音)効果です。物理法則である 質量則 (重いほど音を止める)に従い、布一枚では音を遮断できません。
毛布はどれほど厚手でも「布」であり、密度が低すぎます。 声の振動は簡単に布を通り抜け、壁やドアから外へ漏れ出します。 「秘密基地感」でつい大声を出すと、即座に 親フラ を招くリスクが極めて高いです。
【警告】絶対に注意すべき熱と酸欠#
エンジニアが最も危惧するのは、音の問題よりも 健康と機材の安全性 です。 狭い空間を密閉する行為は、PCの排熱と体温によって、短時間で過酷な環境を作ります。
数分でサウナ状態に陥るリスク#
ゲーミングPCは小型の暖房器具に匹敵する熱を発現します。 ブランケットの下に体温と排熱が溜まると、内部温度は一気に30度〜40度を超えます。 二酸化炭素濃度が急上昇し、ゲームに熱中するうちに気づかず 熱中症 や 酸欠 で倒れる事故が、自作ブースでは頻発しています。
自作ブースを作る際の絶対ルール#
それでも机の下にブースを構築したいなら、以下の 3つの鉄則 を死守してください。
- 完全に密閉しない : 背面を開けるか、上部に大きな隙間を作り、空気の通り道を確保してください。
- PC本体はブースの外に置く : 熱源であるPCは絶対に囲わないでください。長いケーブルで外へ逃がすのがエンジニアの鉄則です。
- 強制換気を行う : 小型扇風機を使って、常に外部の新鮮な空気を内部へ送り込んでください。
これらの工夫を行い、最低でも1時間に1回はブースから出て、休憩と換気を徹底してください。
