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ASMR配信者のための「完全無音」換気術|エアコン音・ノイズ除去の究極テクニック

·2976 文字·6 分
配信・クリエイター向け ASMR ノイズ除去 換気扇 静音 マイク
sasisi344
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sasisi344
外の音が気になったりマイクの音質とかを気にするようになったので、防音に関する総合的な情報を集めているうちに、このサイトが生まれました。
目次

ASMR(自律感覚絶頂反応)において、最も重要な機材は何でしょうか? 最高級バイノーラルマイク(KU100など)でしょうか? それとも高性能なオーディオインターフェースでしょうか?

答えは 「静寂」 です。

どんなに高価なマイクを使っても、背景に「サーッ」「ブーン」というエアコンや換気扇のノイズが乗っていては、聴き手の没入感(Tingles)は一瞬で覚めます。

ASMR配信者にとって、防音室は「外の音を遮断する場所」であると同時に、 「中の音(空調ノイズ)との戦いの場」 でもあります。

この記事では、ASMRの命とも言える「完全無音」に近い環境を作るための、空調換気術とノイズ除去テクニックを解説します。

ASMRにとって「空調ノイズ」は致命的な敵である
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なぜ、普通のゲーム実況や雑談配信では気にならない音が、ASMRでは大問題になるのでしょうか。

バイノーラルマイクは「換気扇のファン音」を重低音として拾う
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人間の耳を模したバイノーラルマイク(3Dioなど)は、人間の聴覚特性に近い集音をします。 特に厄介なのが、換気扇やエアコンのコンプレッサーから出る 「低周波ノイズ(50Hz〜100Hz)」 です。

人間の耳には「かすかな振動」程度にしか聞こえなくても、高感度マイクはこれを「ゴゴーッ」という不快な重低音として増幅してしまいます。これがリラックスを妨げる最大の要因です。

「静かさ」=「没入感」。S/N比が配信の質を決める
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オーディオの世界に S/N比(シグナル対ノイズ比) という言葉があります。 ASMRは「シグナル(囁き声や衣擦れ)」が非常に小さい音であるため、相対的に「ノイズ(環境音)」が目立ってしまいます。

S/N比が悪い(ノイズが大きい)と、ボリュームを上げた時に「サーッ」というホワイトノイズが前面に出てしまい、視聴者は不快感を覚えます。 逆にS/N比が良いと、微細な吐息や耳かきの音がクリアに届き、 脳がとろけるような没入感 を生み出せます。

しかし「換気切り」は酸欠と湿気で命取りになる
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「じゃあ、録音中だけエアコンと換気扇を切ればいい」 そう思うかもしれません。

しかし、密閉された防音室で換気を止めると、わずか30分でCO2濃度が上昇し、 酸欠(頭痛・眠気・息苦しさ) に陥ります。 また、湿気がこもってマイクのカプセルを痛める原因にもなります(コンデンサーマイクは湿気に弱い)。 長時間の睡眠導入配信などでは、換気を止めることは自殺行為です。

エアコンの風切り音すら許さない「無音換気」システム
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では、どうすれば換気をしながら静寂を保てるのでしょうか。

防音室専用「ロスナイ(熱交換形換気機器)」の実力
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絶対に導入すべきなのが、三菱電機の 「ロスナイ(Lossnay)」 などの熱交換形換気機器です。

  • 静音性 : 一般的なプロペラファンと違い、シロッコファンと吸音材を内蔵しており、運転音が圧倒的に静かです。
  • 遮音性 : 換気口(穴)が開いたままになる普通の換気扇と違い、ロスナイは音を通しにくい特殊な構造(熱交換素子)をしており、外の騒音も入れません。

ASMRをやるなら、標準の換気扇ではなく、必ず 「ロスナイへのアップグレード」 を指定してください。

ダクト延長で「音源(ファン)」を物理的に遠ざける裏技
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さらに静音化を極めるなら、 「ダクト延長」 です。 換気扇本体を防音室の壁に直接つけるのではなく、長いフレキシブルダクトを使って、ファン本体を 「防音室から数メートル離れた場所(天井裏や隣の部屋)」 に設置します。

音源(モーター)を物理的に遠ざけることで、防音室内には「空気の流れ」だけが届き、モーター音は聞こえなくなります。これはプロのレコーディングスタジオで使われる手法です。

風速を落として音を消す「サイレンサー」の導入
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風がダクトを通る時の「ヒューッ」という風切り音(流体音)を消すために、ダクトの途中に 「サイレンサー(消音器)」 を取り付けます。 または、換気扇の回転数をコントローラーで極限まで下げ、「弱運転」でゆっくり換気することで、風切り音をほぼ無音にできます。

録音時に入ってしまったノイズを消す「事後処理」と「事前対策」
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設備投資が難しい場合でも、工夫でノイズを減らすことは可能です。

物理遮断:ホワイトノイズを減らす「吸音」と「隙間埋め」
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部屋の反響(リバーブ)が強いと、ノイズも乱反射して増幅されます。 マイク周辺やエアコンの吹き出し口付近に 「吸音材(ウレタンやグラスウール)」 を貼り、余計な音を吸わせましょう。 また、ドアの隙間や換気口の周りを隙間テープで塞ぐだけでも、S/N比は改善します。

マイク位置:エアコンの気流直撃を避ける配置
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マイクにエアコンの風が当たると「ボボボボ」という吹かれ音が入ります。 エアコンの風向きを固定し、マイクを 「風が絶対に当たらない位置」、かつ 「エアコンから最も遠い位置」 に配置してください。 マイクにウィンドスクリーン(スポンジやファー)を付けるのも有効ですが、高音域が少し削れるので注意が必要です。

ソフトウェア:iZotope RXなど「AIノイズ除去」の魔法と限界
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最終手段として、 「iZotope RX」 シリーズなどの強力なノイズ除去ソフトを使います。 「Spectral De-noise」や「Voice De-noise」を使えば、エアコンの定常ノイズを魔法のように消せます。

ただし、ASMRにおいては 「やりすぎ厳禁」 です。 ノイズを消しすぎると、肝心の「吐息の成分」や「微細な衣擦れ」まで消えてしまい、音がデジタルっぽく不自然(ケロケロした音)になります。 「完全に消す」のではなく、 「気にならないレベルまで薄める」 のがプロの技術です。

ASMR配信者が選ぶべき「静音仕様」の防音室・機材
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遮音等級D-50以上が必須条件である理由
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実家や集合住宅でASMRを撮るなら、外の救急車や選挙カーの音を完全にシャットアウトする必要があります。 標準的なDr-30〜35では不十分です。 最低でも 「Dr-40〜50(浮き床構造・二重壁)」 の性能を持つ防音室を選びましょう。

ファンレスPC・静音電源への投資価値
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PCのファンの音も大敵です。 究極は 「ファンレスPC(MacBook Airなど)」 を使うことです。 デスクトップPCなら、静音ケースやNoctua製の静音ファン、セミファンレス電源を選び、可能な限り「無音PC」を組みましょう。

まとめ:静寂こそが最高の機材である
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ASMRにおいて、静寂はお金で買う価値のある「機材」です。

  1. 換気 : ロスナイ+ダクト延長で、空気を入れつつ音を消す。
  2. 配置 : 音源からマイクを離し、吸音材でノイズを殺す。
  3. 編集 : AIノイズ除去はあくまで補助。元のS/N比を高めるのが正義。

「シーン……」という静寂そのものが、視聴者を安心させ、深いリラックスへと誘います。 徹底的なノイズ対策で、極上のASMR環境を作り上げてください。

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