「隣の部屋がうるさいから、壁に吸音スポンジを貼ってみた。でも全然効果がない…」
これは防音DIYにおける 「あるある失敗談」No.1 です。 多くの人が、「吸音材」と「遮音材」の役割を混同しています。
この2つは、野球で言えば「ピッチャー」と「キャッチャー」くらい役割が違います。 今回は、正しい防音壁を作るための基礎知識を解説します。

多くの人が勘違いしている「吸音材」の役割#
Amazonなどで売っているデコボコしたウレタンスポンジ。あれが「吸音材」です。
吸音材の仕事:音を「減らす」#
吸音材は、多孔質(穴だらけ)の素材でできています。 音がこの穴に入り込むと、摩擦で熱エネルギーに変わり、反射音が減ります。 つまり、「部屋の響き(反響)を抑える」 のが主な役割です。
しかし、吸音材はスカスカなので、音を 「通り抜け(透過)」 させます。 これだけを壁に貼っても、音はスポンジを通り抜けて隣の部屋に届いてしまうのです。
本当に音を止めるのは「遮音材」#
遮音材の仕事:音を「跳ね返す」#
一方、隣への音漏れを防ぐのは「遮音材」の役目です。 鉛シート、遮音ゴムマット、石膏ボードなど、「重くて硬い」 素材がこれにあたります。
遮音材は音を跳ね返します。跳ね返すことで、壁の向こうへ音を通さないようにする(透過損失を高める)のです。
ただし、遮音材だけを部屋に貼ると、音が室内で跳ね返り続け、お風呂場のようにワンワン響く不快な部屋になってしまいます。
最強の防音壁構造:遮音と吸音のサンドイッチ#
効果的な防音壁を作るには、この2つを組み合わせる必要があります。
- 【STEP 1】遮音する: 壁に「遮音シート」や「石膏ボード」を貼り、音を跳ね返す壁を作ります。これで隣への漏れを防ぎます。
- 【STEP 2】吸音する: 遮音材の上(室内側)に「吸音ボード」や「スポンジ」を貼ります。 これにより、遮音材で跳ね返った音を吸収し、室内の響きを整えます。
理想的な順番#
[ 壁 ] - [ 遮音材 ] - [ 吸音材 ] - [ 人間 ]
この順番を守ることで、音漏れを防ぎつつ、クリアな音環境を作ることができます。
まとめ:材料の特性を理解して賢いDIYを#
「吸音材を貼れば防音できる」という迷信を捨てましょう。 音を止めたいなら「重いもの(遮音材)」、響きを消したいなら「軽いもの(吸音材)」。
目的に合わせて材料を選び分けることが、防音DIY成功への近道です。
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