個室ブースを自宅に置くなら|価格の目安と防音の限界、暑さ・設置の注意点
個室ブースを自宅に置く場合、デスクを囲むパーティション型は6万円台〜、天井つきの1人用は35万〜44万円前後(2026年10月時点の公式価格)、月額レンタルは1万円台〜が目安です。防げる音の限界、暑さと換気、サイズ・賃貸・消防の確認点、安く済ませる方法を表で整理します。
個室ブースを自宅に置くなら、選択肢はデスクを囲むパーティション型(6万円台〜)、天井つきの1人用ブース(35万〜44万円前後)、月額レンタル(1万円台〜)の3つです(2026年10月時点の公式価格の例)。
どれも防げるのは会話の声と、家族の視線までで、楽器や歌の音を止める防音室とは別物です。
「Web会議のたびに、家族に『静かにして』と頼むのがつらい」。
「自分の声が筒抜けで、話す内容を選んでしまう」。
個室ブースを探す人の多くは、防音の数字よりも、気兼ねなく話せる自分だけの場所を求めています。
この記事では、自宅に置ける個室ブースの種類と価格、買ってから後悔しやすい防音・暑さ・設置の注意点を整理します。
個室ブースとは?防音室との違い
個室ブースは、1〜数人が入れる箱型の個室で、オフィスや駅でWeb会議や電話に使われているものです。
ワークブース、テレワークブース、集中ブースとも呼ばれます。
防音室と似ていますが、作られた目的が違います。
| 比べる点 | 個室ブース | 防音室 |
|---|---|---|
| 目的 | 会話の声と視線をさえぎる | 楽器・歌などの大きな音を外に漏らさない |
| 防音の表し方 | 「騒音軽減」「◯dBカット」など。条件がメーカーごとに違う | Dr値(Dr-30〜Dr-40など)の等級 |
| 見た目 | 窓やガラスのドアがあることが多い | 窓がないか小さく、密閉されている |
| 向いている音 | 話し声、キーボード、電話 | ピアノ、管楽器、歌、配信の大声 |
| 1人用の価格の例 | 6万円台〜40万円台(自宅向けの例) | 7万円台〜100万円超 |
話す声を家族に聞かれたくないなら個室ブース、楽器や歌の音を近所に漏らしたくないなら防音室、と考えると選び間違えません。
自宅に置ける個室ブースの種類と価格
自宅向けに選びやすいものを、メーカー・レンタル会社の公式ページで確認した価格の例とあわせてまとめました(2026年10月18日確認)。
| 種類 | 価格の例 | 防げるもの | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| パーティション型(デスクを囲む。天井なし) | 66,000円(4枚)〜170,500円(6枚) | 視線、周りの話し声の反響 | まず安く集中できる場所を作りたい |
| 天井つきの1人用ブース | 349,800円(Easy Booth、送料別)、437,800円(サンワサプライ SPT-PB009) | 視線、会話の声の一部 | 毎日Web会議がある在宅ワーカー |
| オフィス向けの高機能ブース | オープン価格が多い | 視線、会話の声。エアコン付きもある | 自宅の一室を業務用に使い込む人 |
| 月額レンタル | 月14,900円〜(レントプラス CONBOX) | 製品による | 買う前に試したい、短期間だけ使う |
出典: サンワサプライ ワークブース、Easy Booth(CONOC)、レントプラス
パーティション型
フェルトなどの吸音パネルで、デスクの周りを囲むタイプです。
サンワサプライのパーティションブースは、4枚入りで66,000円、6枚入りで170,500円(いずれも税込)です。
天井がないため、声は上から抜けます。
防音というより、視線を切って集中するための道具と考えてください。
天井つきの1人用ブース
四方と天井を囲み、ドアで出入りする、いわゆる「個室」のタイプです。
CONOCのEasy Boothは349,800円(税込・送料別)で、重さ約40kg、大人2〜3人で10分ほどで組み立てられます。
外寸は幅1,270mm×奥行900mm×高さ1,900mmで、換気ファン・照明・2口の電源タップが付いています。
サンワサプライのSPT-PB009は437,800円(税込)で、Web会議や個人作業向けの「セミクローズ型」と案内されています。
どちらも公式に遮音の数値はなく、Easy Boothは「完全防音の製品ではありません」と明記しています。
オフィス向けの高機能ブース
駅やオフィスで見かけるテレキューブのような製品は、エアコンを備えたものもあります。
ただし、多くはオープン価格で、設置工事を前提にしています。
たとえばアイリスチトセのテレキューブAIRは、天井高2,400mm以上と段差のない床を設置の条件にしています(アイリスチトセ)。
天井高2,400mmは「どの家にもある高さ」ではない
天井高2,400mmは、今の新築住宅でよく使われる高さですが、法律で決まった基準ではありません。
建築基準法(施行令第21条)が居室に求める天井高は、2.1m以上です。
ハウスメーカーの多くが標準仕様を2,400mmにしているため「普通の高さ」と思われがちですが、いつから一般的になったかを示す公的な基準はありません。
実際に、築年数の古いマンションでは天井高2.2〜2.3m程度の住戸も見られます(野村不動産ソリューションズ ノムコム)。
築年数の古い家ほど、天井高2,400mm以上を条件にしたブースは置けない可能性が高くなります。
新しい家でも、梁の下や下がり天井、勾配天井の部分は、ほかより低くなっています。
築年数で判断せず、置きたい場所の天井を実際にメジャーで測ってください。
なお、高さ1,900mm前後の組み立て式ブース(前述のEasy Boothやサンワサプライの製品)なら、天井高2.1〜2.3mの部屋にも収まります。
天井との間にどれだけ隙間が必要かは製品ごとに違うため、購入前に設置条件を確認しましょう。
月額レンタル
レントプラスでは、個室ブースを月額で借りられます。
公式ページの月額は、CONBOXが14,900円〜、Priwsが22,000円〜、One-Bo Plusが29,200円〜です。
配送・搬入設置の費用込みで初期費用はかからない一方、1年未満の契約は割高になると案内されています。
個人で自宅に置く契約ができるかは、申し込み前に確認してください。
個室ブースの防音はどこまで?
個室ブースの防音性能は、「家族に会話の内容を聞き取られにくくする」程度と考えるのが現実的です。
オフィス向けのブースでは、メーカーが「約24〜42dBカット」などと表記していることがあります。
ただし、測る条件がメーカーごとに違うため、数字どうしを比べても意味がありません。
防音室のDr値とも別の物差しなので、「◯dBだからDr-◯◯相当」と換算することもできません。
自宅で使うときは、次のように考えると期待外れになりにくくなります。
| 音 | 個室ブースでの目安 |
|---|---|
| 自分の話し声(Web会議) | 内容は聞き取りにくくなるが、声がしていることは分かる |
| 家族の声・テレビの音 | 小さくなるが、消えはしない |
| 子どもの走る音・足音 | 床を伝わる音なので、ほとんど防げない |
| 楽器・歌 | 外に漏れる。防音室が必要 |
マイクに家族の声が入るのを防ぐなら、ヘッドセットとノイズ抑制機能の併用が効きます。
ブースは声と視線を減らし、マイクの工夫が残りの音を消す、という分担です。
家族の声やWeb会議の声漏れの対策を、手軽なものから順に知りたい場合は、次の記事で整理しています。
在宅ワークの音の悩みと防音|家族の声・Web会議の声漏れ・寝室仕事の対策を整理
個室ブースは暑い?エアコンと換気の確認
自宅用の個室ブースで、いちばん後悔が多いのが暑さです。
1人用ブースの中の空気は2㎥ほどしかありません。
そこに、人の体から出る熱(安静時でおよそ100W)と、パソコンやモニターの熱が加わります。
換気がないと、短い時間で中が暑く、息苦しくなります。
買う前に、次の3点を確認してください。
- 換気ファンの有無 : 付いていない製品もある。付いていれば、外の空気を入れ替えられる
- 置く部屋のエアコン : ブースにエアコンがなければ、部屋を冷やして換気ファンで空気を入れる形になる。夏は部屋の温度を低めにしておく
- 使う時間 : 1時間を超える会議が多いなら、途中でドアを開けて空気を入れ替える前提で考える
エアコン付きのブースは、オフィス向けの高価格帯が中心です。
格安の防音室で起きる暑さの問題と対策は、格安防音室は夏に地獄化する?だんぼっち・OTODASU排熱リスクと中古購入の注意点でも詳しく扱っています。
自宅に置く前に確認すること
個室ブースは「置くだけ」で使える一方、自宅ならではの確認点があります。
| 確認すること | 見るポイント |
|---|---|
| 大きさ | 1人用でも幅・奥行1m前後、高さ1.9m前後。ドアを開ける場所も必要 |
| 天井高 | 照明・エアコン付きの製品は、天井高2,400mm以上を条件にしていることがある。築年数の古い住宅は2.2〜2.3mの部屋もあるため、実際に測る |
| 搬入 | 組み立て式か、完成品か。階段や廊下、玄関ドアを通るか |
| 床 | 重い製品は床の耐荷重とキズ。賃貸なら敷物で床を保護する |
| 電源 | パソコン・モニター・換気ファンを同じコンセントからとって、容量を超えないか |
| 賃貸・マンション | 壁や床に固定しないか。管理規約や原状回復で問題にならないか |
消防法は気にする必要がある?
「個室ブース 消防法」と検索されるのは、主にオフィスに置く場合です。
天井と壁で囲われたブースは、オフィスや店舗に置くと、スプリンクラーや火災感知器の扱いが問題になります。
東京消防庁は「可動式ブース」の扱いを定めていて、床面積や材料などの条件を満たせば、ブース内の設備を免除できるとしています(東京消防庁 可動式ブースに係る消防用設備等の取扱い)。
一般の住宅は、オフィスビルとは消防設備の決まりが違います。
それでも、ブースの中で暖房器具など火を使わない、配線をタコ足にしないの2点は守ってください。
マンションの共用部に置く場合や、自宅を事務所として使う場合は、所轄の消防署に相談してください。
個室ブースを安く済ませる方法
予算を抑えたいときは、目的から逆算して選ぶと、無駄な出費を避けられます。
| 方法 | 費用の目安 | 向いている人 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| パーティションで囲む | 6万円台〜 | 視線を切れれば十分な人 | 声はほとんど防げない |
| 中古を買う | 新品より安いが個体差が大きい | オフィス撤去品を自分で運べる人 | 送料・組み立て・部品の欠品。換気ファンが動くか確認する |
| 月額で借りる | 月14,900円〜 | 半年〜1年だけ使う人 | 1年未満は割高。個人契約の可否を確認する |
| 時間貸しの個室を使う | 15分330円〜 | 大事な会議の日だけ個室がほしい人 | 自宅では使えない。移動が必要 |
| 自作する | 材料費数万円〜 | 工作が苦にならない人 | 換気と重さの設計が難しい |
Web会議が週に1〜2回なら、駅の個室ブースやレンタルスペースを使うほうが安く済むことがあります。
時間貸しの選択肢は、防音スペースのレンタルとは?5種類の料金の目安と用途別の選び方・探し方で比較しています。
クローゼットなどを使って自作する方法は、防音室を自作する方法|クローゼットDIYで3万円から作れる録音ブースを参考にしてください。
個室ブースより防音室を選ぶべき人
次に当てはまるなら、個室ブースではなく防音室を検討してください。
- 楽器を弾く : 個室ブースは楽器の音量を想定していない
- 歌う・大きな声で配信する : 声が大きいと、ブースの外にはっきり聞こえる
- 夜に音を出す : 近所への音漏れが問題になるなら、遮音の等級が示された防音室が必要
組み立て式の防音室の選び方と価格は、組み立て式防音室おすすめ比較|用途別(楽器・ゲーム・配信)と価格帯で整理しています。
よくある質問
自宅用の個室ブースはいくらで買える?
デスクを囲むパーティション型なら6万円台から、天井つきの1人用ブースなら35万〜44万円前後が公式価格の例です(2026年10月時点)。
月額レンタルなら月1万円台から借りられます。
個室ブースに入れば、Web会議の声は家族に聞こえない?
聞き取りにくくはなりますが、まったく聞こえなくなるわけではありません。
話す内容を絶対に聞かれたくない場合は、別の部屋を使うか、ブースとヘッドセットを組み合わせてください。
個室ブースにエアコンは必要?
夏に1時間以上こもるなら、換気ファン付きの製品を選び、置く部屋のエアコンで室温を下げておく必要があります。
まとめ
- 自宅に置ける個室ブース : パーティション型(6万円台〜)、天井つきの1人用(35万〜44万円前後)、月額レンタル(月1万円台〜)
- 防げるもの : 会話の声と視線。楽器・歌・足音は防げない
- いちばんの注意点 : 暑さ。換気ファンの有無と、置く部屋のエアコンを確認する
- 置く前の確認 : 大きさ、天井高、搬入、床、電源、賃貸の規約
- 安く済ませるなら : 目的が視線ならパーティション、会議の日だけなら時間貸しの個室
まずは「誰の、どの音を、どこまで防ぎたいか」を決めてから、種類を選んでください。