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2026/6/10 JA

防音材スペック早見表|面密度・透過損失(TL値)とD値の対応関係を一覧化

石膏ボード・遮音シート・グラスウールなど主要防音材の面密度(kg/m²)と透過損失(TL値)を周波数帯別に一覧化。壁構成パターンごとに達成できるD値(Dr値)の目安も整理した、防音材選びのためのデータリファレンスです。

「石膏ボードを2重張りすると、どれくらい遮音性能が上がるのか」「グラスウールは遮音と吸音のどちらに効くのか」——防音material選びでは、カタログの言葉だけでは性能差が分かりにくいことが多くあります。

この記事は、主要な防音材の 面密度(kg/m²)透過損失(TL値) を周波数帯別にまとめた データリファレンス です。各記事で個別に紹介している数値の「出典」として、ブックマークしておくと便利です。

遮音性能の基本:「質量則」とは

遮音材の性能は、「質量則(マスの法則)」という物理法則でほぼ説明できます。

壁の面密度(1m²あたりの重さ)が 2倍になると、透過損失(TL値)は約 6dB向上する

つまり、「重い材料ほど音を通しにくい」というシンプルな原則です。D値・Dr値を上げたい場合、最も確実な方法は壁全体の面密度を上げることになります。

ただし質量則は 低音域では効きにくく、高音域ほど効果が出やすいという周波数特性があります。そのため、同じ面密度でも周波数帯によって遮音性能(TL値)は異なります。

主要防音材の面密度・透過損失(TL値)早見表

以下は、単体材料1枚あたりの面密度と、周波数帯別の透過損失(TL値)の目安です。実際の壁では、これらを組み合わせた構成全体のTL値が遮音性能になります。

材料厚さ面密度(kg/m²)TL(125Hz)TL(500Hz)TL(2000Hz)
石膏ボード9.5mm約8.5約14dB約25dB約30dB
石膏ボード12.5mm約10.5約16dB約27dB約32dB
強化石膏ボード21mm約18約20dB約31dB約36dB
構造用合板12mm約7約13dB約24dB約28dB
OSB合板9mm約5.5約11dB約22dB約26dB
遮音シート(高密度ゴム系)2.5〜5mm約3.5〜7.5約10〜14dB約20〜25dB約25〜30dB
ALCパネル100mm約60約26dB約37dB約43dB
コンクリート150mm約330約36dB約47dB約53dB
表の見方:
  • 面密度 は、材料の密度×厚さで算出した「1m²あたりの重さ」です
  • TL値(透過損失) は、その材料単体が音をどれだけ減衰させるかを示します(数値が大きいほど高性能)
  • 低音域(125Hz) は質量則の効果が出にくく、どの材料も高音域より10dB前後低い値になります

吸音材のスペック早見表(NRC値)

遮音材が「音を跳ね返す・通さない」材料なのに対し、吸音材は 「音を吸収して反響を減らす」材料です。性能指標には NRC(騒音減衰係数)が使われ、0〜1の数値で「入射した音をどれだけ吸収するか」を表します。

材料厚さNRC値主な用途
グラスウール(16K)50mm約0.65〜0.75壁内充填・吸音パネルの芯材
グラスウール(32K)50mm約0.80〜0.90高密度タイプ、吸音パネル向け
ロックウール50mm約0.70〜0.85壁内充填、防火性能も兼ねる
ウレタンフォーム(吸音用)25mm約0.30〜0.45DIY吸音パネル、簡易対策
有孔ボード+背面空気層9mm+50mm約0.50〜0.65内装仕上げと吸音を両立
遮音と吸音の違いを誤解しない:
  • NRC値が高い吸音材を壁に貼っても、「外への音漏れ(遮音)」はほとんど改善しません
  • 室内の 反響・エコーを減らすのが吸音材の役割です
  • 隣室・屋外への音漏れを減らしたい場合は、面密度の高い 遮音材を選ぶ必要があります

吸音と遮音の違いをさらに詳しく知りたい方は、遮音材と吸音材は何が違う?防音DIYで失敗しないための基礎知識もあわせてご確認ください。

壁構成パターン別:達成できるD値(Dr値)の目安

単体材料のTL値だけでなく、壁全体としてどう組み合わせるかがD値(Dr値)を左右します。以下は代表的な壁構成と、達成できるDr値の目安です。

壁構成パターン構成内容Dr値の目安
パターン1:標準石膏ボード壁石膏ボード12.5mm片面1枚+既存壁Dr-20〜25
パターン2:二重張り+遮音シート既存壁+遮音シート+石膏ボード12.5mm×2枚Dr-30〜35
パターン3:グラスウール充填+二重張り既存壁+柱間グラスウール50mm+遮音シート+石膏ボード12.5mm×2枚Dr-35〜40
パターン4:独立柱(二重壁)構造既存壁から独立した間柱+グラスウール充填+石膏ボード二重張りDr-45〜50
パターン5:浮き構造(防振ゴム+二重壁)独立柱+防振ゴム+グラスウール+石膏ボード二重張りDr-50〜60
ポイント:
  • 「重ねる」だけでなく「層を分ける(独立させる)」ことが重要です。石膏ボードを単純に重ね張りするより、空気層を挟んで構造を独立させたほうが、同じ材料量でも遮音性能が大きく向上します
  • 柱や金物で壁同士が接触していると、振動が伝わり「音橋(フランキング)」が発生し、カタログ値より性能が低下します
  • パターン4・5の「独立柱構造」「浮き構造」は、ヤマハ・カワイなどユニット型防音室の壁構造の考え方とほぼ同じです

ユニット型防音室のDr値とカタログスペックの関係については、防音のプロが教えるD値の嘘と本当、楽器・用途別の必要D値については遮音性能の基準「D値」とは?楽器・用途別の目安を徹底解説で詳しく解説しています。

まとめ:データを「組み合わせ」で読む

防音材選びで失敗しないためのポイントは以下の3点です。

  1. 面密度が高い材料ほど遮音性能(TL値)は高いが、低音域では効果が出にくい
  2. 遮音材(重さで跳ね返す)と吸音材(NRC値で吸収する)は役割が異なり、目的に応じて使い分ける
  3. D値(Dr値)は単体材料の性能ではなく、「層構成・独立構造」の設計で大きく変わる

このデータ集を、壁の遮音設計やDIY防音の計画を立てる際の「ものさし」として活用してください。

KEYWORDS
#防音材#面密度#透過損失#D値#質量則#データ集
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